森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

米国ポートフォリオの バリュー・グロース比率の変化


こんにちは。


米国市場は、5月4日には、政策金利の改定(利上げ)に関するFRB パウエル議長の穏便な記者会見を好感して米国株は3%前後 値を戻したものの、5月5日には 10年国債利回りが3%台に乗せて再び大きく下げる展開になりました。


今なお、年初来ではS&P500指数ベースで12%強の下落状態となっています。
とりわけ2020年と2021年に大きく上昇した成長銘柄は、年初来で平均20%前後下落し、ナスダック銘柄などを一定比率で保有している筆者のポートフォリオも大きく影響を受けました。


グロース (成長) 銘柄は金利の上昇局面で弱く、一方でバリュー(割安)銘柄の下げ幅は比較的小さいか、あるいは株価を維持するケースもあるので、波乱経済下での安定化のために筆者は1月下旬~4月でバリュー銘柄を増やすことにしました。一種のリバランスです。


そのリバランス状況を本日、備忘録を兼ねてご紹介したいと考えます。



まずは、2021年12月末のポートフォリオ内容の振り返りです。
2021年12月末時点で、米国市場でドルベースで直接運用しているの保有株について、ETFを含めてバリュー・グロース比率を分析してみました。S&P500などのETFについてもPortfolio Visualizer を使用し、バリュー、グロース、債券に分解したデータを使用しました。


それが図1です。


【図1】  2021/12/E の米国運用資産の バリュー・グロース構成比率


上図を見ると、グロース48:バリュー41となっており、金利上昇局面でグロース下げの影響を受けやすい要素が見受けられます。



さて、リバランスの結果を有効に比較するために バックテストをしてみます。
12月末と同じ銘柄構成・同じ株数のまま、2022年4月末日を迎えたら、どういった構成比率になったか、比較のために机上検証しておきます。
昨年12月末の保有内容はわかっているので、株価のみ更新して、4/末時点のバリュー・グロース比率をエクセルで仮想的にシミュレーションしてみました。
それを行ったのが、図2です。


【図2】  2021/12/E のポートフォリオに 2022年4月末の株価を
     あてはめた場合の、バリュー・グロース構成比率


グロース株が大きく値を下げた関係で、グロース株比率は下がっています。
しかしながら、上記の構成では、差は縮まったもののグロース株比率は バリュー株比率よりも依然高いです。
ナスダックなどが大きく下げても、まだグロース株比率がバリュー株を上回っているのは、元々グロース株比率が高すぎたことと、ダウ系バリュー銘柄も それなりに下げたので、差は思ったほど縮まらなかったという状況です。(机上の検証です。)



さて話を元に戻します。
1月下旬に 「ポートフォリオの バリュー・グロース比率を調整」する決断をし、実行しました。


実際の打ち手としては、下記の3点です。
① VYM ETFなど バリュー銘柄を多く含有するETFを、下落局面で買い増し。
② 下落からの「反発戻し」の機会を捉え S&P500やグロース銘柄について ある割合を
  売却する。
③一方で市場が改めて下げた際に、売った上記の銘柄を 同株数(もしくはやや少なめ)に、
 買い戻すことで グロース保有額を一定幅で減らし, かつ同時に平均購入単価も原価低減。
 (将来の 経済正常化反発 の芽は摘みません。)


こうしたことを実行しました。


その結果、実際の4月末のポートフォリオにおける バリュー・グロース比率を図3に示します。


【図3】2022年4月末の 実際のP.F.の バリュー・グロース構成比率 



実際のリバランス実行の結果、バリューが増え、グロースが大きく減った構成比率になりました。
この要因は、
① バリュー銘柄を買い増した。
② グロース銘柄を「戻り売り」して 再度の下落で 若干少な目に「買い戻し」実施。
③ 市場ではバリュー株も下げたが、それ以上にグロース株が大きく下げた。
という3つの複合要因の結果です。


グロース株比率とバリュー株比率が逆転し、バリュー比率が過半数になりましたが、グロース株は 長期で見ると「売られ過ぎ」の傾向もあるたので、保有状態としては、今はこれで良いと考えています。



この先、長期金利が3%前後で 高位定着 しながら、並行して 高金利と事業コスト高騰によるビジネス停滞で『景気後退入り』する可能性があります。
高金利の景気後退となると、株式投資よりも10年国債の方が安全確実に利子収入を得られるという判断が投資家に働いて現物の新発国債が買われ、一方で、株式は 売られる局面では 一般株や割安株も満遍なく売られると想定されます。
そうなると、 ポートフォリオの バリュー・グロース比率が  いずれ概ね ほぼ均衡するようになる見込み。


更に先の2, 3 年後 あるいは 4, 5年後には、事業コストが下がってインフレも克服され、再び投資が活発になり、経済を牽引する成長株も大きく反発する日は来るでしょう。そういった歴史が、これまで例外なく繰り返されて来ていますので。


筆者は、長い目でみて 長期の『経済成長』の成果・増分の恩恵を受け取る長期投資派です。慌てずにしばらくはウォッチングして、気長に待ちます。



本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。