森のそよ風のブログ

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五街道雲助 一門会


こんにちは。


先日、隣の市の市民会館に、「五街道雲助 一門会」を観に行きました。



人間国宝の落語家の噺を近くで聴ける会があることを、当日の日にちが近づいてから 聞き及び、急ぎ 申し込んだら何とか取れました。


落語は、学生の頃にはTVで時々聞くことがありましたが、最近はすっかり遠ざかっていて、恥ずかしながら雲助の落語も聴いたことがなかったのが正直なところです。


五街道雲助 (本名・若林恒夫さん(75) )は、つい昨年の2023年07月21日に 重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されていたそうです。
ネットで少し検索してみたら、落語家の人間国宝 指定は、五代目柳家小さん、上方落語の三代目桂米朝、十代目柳家小三治に次いで、まだ4人目だそうです。
かなり稀有な出来事なのですね!!


【経歴】
1968(昭和43)年、十代目金原亭馬生に入門
1981(昭和56)年、 真打昇進
【受賞歴】
2014(平成26)年 平成25年度(第64回)芸術選奨 文部科学大臣賞受賞(大衆芸能部門)
2016(平成28)年 紫綬褒章受賞
2023(令和5)年 重要無形文化財保持者(人間国宝)



隣町での人間国宝の噺、これは聴いてみる他ありません。
この日は ”一門会” ということで、弟子たち含め、五話が披露されました。



雲助師匠の演目は、『夜鷹そば屋』でした。
夜鷹そば屋を営む、子のない長屋暮らしの老夫婦と、そこへ客としてやってきた若い男との奇妙な邂逅を描写する人情ものです。


ざっとストーリーは、若い男が老夫婦の蕎麦屋に来て蕎麦を三杯平らげた後、自らの無銭飲食を明かし、自身番(今の交番のようなもの)に連れて行ってほしいと老夫婦に頼む。
ところが、老夫婦は自身番に連れていくどころか、自分たちの家に招き入れ、最終的に蕎麦の代金もタダにしてやる。しかも、それが憐れみや施しとしてではなく、あくまでも「店じまいに屋台を家まで担いで来るのを助けてくれた対価」として渡す配慮まで行き届いている。


おかしみと、孤独な人間同士の温かみある触れあいを描いた作品です。
重厚な中にも軽妙で、かつ体温の伝わる雲助の語り口で、最後まで引き込まれてしまいました。


落語の大御所の方々の噺をまた聞きに行きたいです。


ではまた。