森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

確定申告の季節


こんにちは。


今年も確定申告の季節が近づいてまいりましたね。


筆者は、再雇用を卒業した年の暮れには、会社の年末調整をしてもらえなくなった関係で、過年に確定申告を始めました。
過去には、家族の誰かが入院治療した年などに、家人が医療費還付の確定申告をしてくれましたが、現役会社員の頃は副収入も年金も無かったので、確定申告はほとんど縁がありませんでした。
過去2,3年やってみて、ようやく少し慣れました。


2020年は年初から資産運用を始めたので、有価証券の譲渡損益申告の関係があり、確定申告は必須な状況です。


今年2月の筆者の確定申告の目玉は明確で、
① 損切りの譲渡損失を申告し、来年以降の申告分離課税につなげる。
② 配当控除(税額控除)を申告し、還付を受ける。
の2点です。


有価証券の運用に関する税制の利用については色んな流儀があるようで、一つの証券会社内の自らの口座を「特定口座」にして、かつ「源泉徴収あり」に設定した場合でも、大きく分けて下記のA、B の2通りがあるようです。


A:証券会社の口座内で、「譲渡損益」と「配当」を自動的に損益通算させ、差し引きの利益に対して源泉徴収を証券会社経由で支払う。


B:証券会社の口座内で、「譲渡損益」と「配当」は損益通算しない。
   その場合、「配当」については証券会社から源泉税額を差し引いたのちに外部の銀行口座に自動送金してもらう。株売却の際の譲渡益に対しては、それに対してのみの源泉税を証券会社経由で支払う。もちろん、売買が年間トータルで譲渡「損」となった場合には、税の徴収はありません。


同級生に税理士をしている者がいまして、「B(譲渡損益と配当を通算しない方法)の方が、概して有利」とアドバイスされました。理由は明らかですが、「配当控除」という制度を活用できるためと思われます。


B方式を採用した場合、自分の年間の課税所得総額(=給与所得+公的年金所得+配当所得)の金額帯によっても多少異なりますが、概ね年間の課税所得が900万円以下の場合には、配当控除が使えて有利です。配当が増えるほど、還付の効果は大きいです。


配当に対して証券会社内で源泉徴収した場合、15.315%の所得税と5%の住民税で、計20.315%が天引きされますが、確定申告で配当控除を使えば、かなりの還付が得られます。
(証券口座は「源泉徴収あり」を選択しておいたままでOKで、確定申告をして配当収入を改めて総合課税に引き戻す、という考え方です。)
例えば、年間で税込みで50万円の配当を受けている人は、源泉徴収で約10.2万円を取られていますが、確定申告で配当控除を申請すると、5万円の"還付" を受けることができます。


この配当控除制度の趣旨は、企業の利益に対しては既に法人税や法人住民税で税負担しているのにもかかわらず、納税後の残金の(出資者への)分け前である配当に対して更に課税するのは、二重課税に当たるので不適切であるという論拠があるためです。
ただし、積極的に確定申告しない限り、戻ってきません。


この趣旨に沿えば、「リート銘柄」や「債券のETF」に対しては、配当控除は適用されません。例えばリート運営会社は利益の9割を出資者に還元することで法人税を免除されているためです。(リート投資では、分配金に課税されても二重課税に当たりません。)


なお、海外株の配当に対しては、海外税額控除というのがありますが、話が更に複雑化しますので、本投稿では省略します。(面倒なので、筆者は今年はやりません。来年はするかも知れませんが。)


配当控除については、ファイナンシャルプランナーや税理士事務所の方々、また投資ブロガーの方々が、ネットで数多くの情報を掲載されていますので検索してみてください。
「配当控除 確定申告」で検索すると、無数に出てきます。


既に年末調整した現役会社員でも確定申告は可能で、会社から源泉徴収票を出して貰えば、確定申告で総合課税でき、配当控除が得られます。


なお、配当収入を 確定申告で総合課税に引き戻すと、証券口座内の源泉徴収で納税を終わらせた場合に比べて「課税対象所得」が増え、その所得金額の情報が国税庁から市町村にも送られますので、そのままにしておくと、翌年度の住民税や国民健康保険税が増額になります。
これに対しては、「上場株式の所得に関する(住民税への)申告不要制度」という制度があり、2017年より地方税に適用されています。
つまり、自分の住む市町村の納税課にて、「上場株式等の所得に対する住民税申告不要等申し出書」を提出すれば、配当収入を加算する前の所得にて、住民税と健康保険税が計算されます。つまり、住民税と健康保険料は増額されません。


この「申し出書」は、市町村の納税課(または課税課)の窓口に行けば、用紙を貰えます。
1月の中旬頃には、用紙は前もって貰えると思います。提出するのは1枚だけの簡単なものです。ただし、申し出書を正式に提出の際には、税務書に出した「確定申告書」の写しを添える必要があります。


「申し出書」の市町村への提出期限は3月15日までとされています。税務書への確定申告を出したその勢いで市役所に行けば良いわけです。なお、各個人宛の住民税通知書の発送前ならば受け付けて貰えると言われています。(厳密に、何月何日までならOKか不明ですが・・。)


この「上場株式の所得に関する(住民税への)申告不要制度」についても、ネット上に、税理士事務所やFPの方々から無数の情報が得られます。
市町村のホームページにも掲載があり、ヒットします。


以上の情報を活用される場合には、皆様にて別の情報源や担当の役所で、改めて再確認をお願いします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。