森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

一年を振り返って・・・ポートフォリオの安定化

こんにちは。


2020年も残すところ、あと1日となってしまいました。


世界はコロナ感染の拡大が収まらず、これまでに経験しなかった新年を迎えます。
皆様は感染リスクを回避して、無事にお過ごしでしょうか?


さて、年の締めくくりにあたり、今年の投資を総括して振り返ってみたいと考えます。


筆者は資産運用のスタート時点から、一貫して大切にしてきたことがあります。
それは、「ポートフォリオの安定」です。


投資には一定のリスクが付き物です。しかし、筆者は市場のインデックス平均よりも大きなリスクは取らないという方針で運用してまいりました。
そのため、大きなキャピタルゲインを得ることはあえて狙わずに、ポートフォリを構成・調整して来ました。
それならば、最初からS&P500のETFか投信の一択で集中保有すれば良いのではないかという意見もあろうかと思いますが、そこは、やはり配当も欲しいし、最初なので個別株も経験してみたいという思いがありました。国内には魅力的なETFが少ないという事情もあります。


「安定を目指す」と言うからには、逆にポートフォリオの「不安定」とは何でしょうか?
あくまで筆者の考え方ですが、不安定要素とは、


①急速な上昇があり得る反面、その反動で大きな下落に見舞われる ”一時的に流行する”銘柄にポートフォリオ全体の評価額が引きずられること。
②経済ショックの際、市場インデックスよりも下落幅の大きな銘柄に引きずられること。
③仕手筋や一部の投資グループに仮装売買され易い銘柄を保有して値動きが荒くなること。


といったところが、主な不安定要素となるのではないでしょうか。


こういった要素を持つ銘柄をポートフォリオ内に抱えると、その銘柄の配当が良くても、
(景気や業績の動きとは関係の薄い)無用な含み損を抱えやすくなり、小心者の筆者としては、安心して保有継続はできません。


筆者は老後のために、いずれ7~8年後には個別株とETFを手放し、定期定額の売却を自動的にしてくれて、運用しながら筆者のお財布銀行に自動送金してくれる投資信託に完全に切り替える計画のため、その際に、目立った含み損を抱えて買い替えることは回避したい方針です。


そういった安定ポートフォリオにするために、今年前半で買った銘柄を、夏以降の後半には銘柄を評価選択し、安定成長の組み合わせになるように少しつつ入れ替えも進めて来ました。


そうした調整の結果、最近になってかなり安定化が図れて来たと考えています。


そのあたりの背景と対応を、少しまとめておきたいと思います。


<国内投資について>
国内では、1月下旬から2月下旬にかけて、配当を目当てに、名の通った大型の高配当銘柄を多く買い付けました。
しかしながら、それらの高配当大型株は、コロナショックで大きく値を下げ、経済低迷期やポストコロナ時代に合わないビジネスモデルと市場から判断され、市場インデックスがどんどん戻してゆく中で、株価の低迷が続きました。
幸いドコモのTOBで売却益を得たのでそれを活用し、値戻しの鈍い高配当の大型株を売って、底値圏から少し顔を出した程度の価額でもう一度買い直すなどを行いました。
それらは、含み益になったり、今もって小さな含み損になったりの多少の上下動はありますが、今後更に大きな含み損を出すのではないかという不安は消え、一方で、累進配当傾向株であるので、着実な配当を得ることができています。精神面での安定化にも貢献しました。


もう一つ、中小型株の一部で問題がありました。
元々 中小型株は、流動性が低い(=日々の出来高が少ない)ために、結果的に少ない取引でも値動きが荒くなるという傾向があると聞いていました。大きく下がったポイントでその安値が固定化する場合もあり、長期保有者としては、気分の良くない展開になります。
筆者がいくつかの中小型株を買った理由は、その銘柄が、近い将来に成長すると考えられるビジネスモデルと判断したからです。成長要素とは、
 ①政府方針のデジタル化投資関連
 ②国土強靭化関連(気候変動災害対策)
 ③コロナ対策や 将来にまた来る可能性がある次の次期コロナ対策のための換気空調関連
 ④クリーンエネルギー関連
などです。
年単位で見れば狙いは良かったのですが、一部の売買筋の仮装売買の対象になっていると思われる銘柄が存在し、非常に良い四半期決算の直後に(好材料出尽くし感以上の)大きな値下がりを見せるなど不穏当な動きがあり、数週間後にようやく値戻しして損益プラマイゼロとなった瞬間に、早めに処分しました。
中小型株は、堅調株でも800円程度から2000円未満が中心的な価額帯で比較的買い易いのですが、価額1500円くらいの銘柄でも、たとえば1単元で3万円、2単元で6万円と言った含み損を抱えると、たとえ そこそこの配当があったとしても、さすがに仮装売買で翻弄されながら保有継続することへの意欲がそがれます。
これら不穏株を手放して、より事業経営が優良で堅調な値動きの銘柄に置き換えた結果、国内ポートフォリオ全体としても安定化しました。


国内投資で日経225平均と同じ上昇パフォーマンスを出すのは、日本電産やキーエンスなどの値がさ株を買わない筆者には非常に難しいですが、なんとかTOPIXには付いて行ける感触が、最近になって徐々に出てきました。
大型株の高成長株は、値がさ株が多いので、それが筆者には買いにくい要因になっています。成長産業セグメントの値がさ株が、株式分割などで買い易くなれば、組み入れやすくなると思いますが。



<米国投資について>
米国投資では、運用開始当初からS&P500指数に付いてゆくことを目標にしていました。
国内方針と同様に、テスラやZOOMといった急成長流行株は、なかなか手を出せません。
急下落を警戒しての小心のためです。実際に、ZOOMは、10月の中旬比で現在は38%下落しています。PERが30数倍とか50倍を超えるような株を買うのは筆者にはやはり難しく、あえて買わなくても良いと思っています。
米国株では、高配当のAT&Tがコロナショックで日本の大型著名株と同様に大きく値を下げて大きな含み損を食らい、その後遅々として戻らず、やはり全株売却して、まだ底値圏と思える水準で保有数を少し減らして買い直しました。いまでも時々、若干の含み損を見せますが、精神的には十分に許容範囲内で全く気になりません。配当はしっかりいただいています。
英国の製薬大手のGSKも高配当ですが、AT&Tよりも不調で、売却して買い直しもしませんでした。


筆者の場合、米国投資はメジャーなETFが大部分を占めているので、S&P500指数に追いつくにあたり大きな困難が無かったのは非常に幸いでした。
当初は、VTI(またはVOO)+SPYD+高配当個別株群 の組み合わせでしたが、高配当銘柄が含み益の伸びを多少阻害している傾向があり、年央からQQQとVGTを組み入れると同時に安定化のためにソルティノ・レシオに優れ、値上がりや増配もするVIGを組み込み、かつ、夏過ぎあたりから高配当銘柄の一部を整理した結果、その後はS&P500指数に非常に近く追従する形になりました。
配分アロケーションの骨子は、前回のブログに書いた通りです。


全体として見れば、現在のポートフォリオにて、キャピタルが年間で10%ちょっと成長し、配当も米国投資全体を平均しても2.5%程度得ているので、不満はありません。
急成長株を短期でうまく売り買いして大きな利益を得ている投資上手な人も少なくないとは思いますが、筆者は全く気になりません。


さて、2020年は、コロナショックがあった割には、ダウもナスダックも史上最高値を更新する堅調な年になりました。 日経平均の30年ぶりの上昇も同じですね。
しかしながらこれは、コロナ対策の財政出動と金融緩和の結果であると言われており、2021年の年央になって、株価で先取りした実態経済回復が実現しない場合には、相応の調整局面が来るとの見方もありますので、高ボラ銘柄からの離脱によって下落リスクを下げたことは、十年前後の長期をできるだけ放置可能にして運用目指す投資家として、一定の意味があると改めて感じている昨今です。


本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。