森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

11月末までの運用の雑感

こんにちは。


今年もあと20日あまりを残すのみとなりました。


年末と言うにはまだ早いですが、年初からの運用投資について、振り返って感じていることを徒然に書いてみたいと思います。


No.1 :
  日本の株式市場は、『年初から十数%の上昇!』とか、『日経平均が26000円を29年ぶりに回復した!』とか言われている割には、筆者の日本株運用は そこまで好調だったという実感が全くありません。これは一体何なのか?


No.2 :
  日本の個別株は難しい!


No.3:
  米国株(含む欧州等のADR預託株)は、幸運にも比較的うまく行ったと感じている。


No.4:
  個別株運用よりも、投資信託の方が堅調な気がする。(米国ETFも堅調)


No.5:
 米国の産業経済の底力は、やはり凄い。



ざっくりとですが、これらの感想について検証してみたいと思います。


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(1)日本市場は、そこまで好調だったか?


 筆者運用開始の1月年初 から11月末まで期間で市場指数を改めて確認してみます。


           2020/1/6    2020/11/30          騰落率
  日経平均             23205円   26434円     +13.9%
  TOPIX                  1697     1755     +3.4%
  JPX小型株指数   14550円           14500円          △0.4%


日経平均と東証指数や中小型指数では、騰落率に大きな差があることがわかります。


日経平均は、東証1部の中から売買高上位の225銘柄(←多少省略して書いています)の株価の合計を24.917で割った値とされているので、必然的に大型株や売買人気の高い銘柄の値動きだけが表れていると思われます。


一方でTOPIXは、東証1部の全銘柄(2200弱)の時価総額の平均をベースとして算出されていますので、流動性の低い銘柄も含めて、日経平均よりも東証全体を正しく表していると思われます。


やはり、『東証株価が十数パーセント上昇!』は、一部の銘柄に過ぎないと考える次第です。


筆者の保有株は、1部のみならず2部やジャスダックの中小型の銘柄も それなりに含んでいるので、日経平均ではなく、TOPIXとベンチマークする方が どちらかと言えば合っているように思います。



さて、筆者の日本株運用の成績を、国内ETFや 国内対象の投信も含めて計算してみると、
11/末時点の年初来評価益率は、+1.7%  となりました。
注 上記は短期解約株の損失も算入しています。損切り損を入れない場合には+5.6%。


マイナスにならなかったのは幸いですし、保有株を買った時期が必ずしも年初でなく、
時期的には1月末から秋口まで長期にばらけているので指数上昇と単純に比べるのは適切性に欠けますが、「2020年は日経大幅上昇」という声を聴くと、1.7%はイマイチと感じてしまいます。


6月から8月中旬頃には、保有株の値動きが冴えなかったため、低迷株を売って他銘柄に入れ替えるなど、それなりに積極的に動きました。その結果として、概ね1年を振り返って、日本株を選択したり操る自分の腕前はあまり高くないことを認識しましたが、他方で、日経225ではなくTOPIXや 中小型株指数を含めて考えると、市場に対して大きく劣後していると考える必要もなさそうだと確認できた次第です。
(日経225平均の数字を過度に意識し過ぎる必要は無いと理解しました。)


全く別の見方をするならば、個別株はほどほどにして、日経225に連動するETFを買えば、(配当を別とすれば) それなりに上がったかも知れないということです。ただ日経225ETFは、既に大幅上昇済みなので、もう遅いかも知れません。(笑)



(2)「日本の個別株は難しい!」について。


日本国内投資を、”個別株(+少額のETF)”  と  ”投資信託” に分けて分析してみます。


<年初開始来 11/末までの評価損益率>
 ・個別株(+少額のETF)・・・・+1.5% (含む解約損益)
   ・投資信託・・・・・・・・・  +5.9%   (解約は無し)


これも買った時期がバラバラなので一概に断定はできませんが、やはり個別株のコントロールが難しかったことを裏付けている気がする。実感とも非常に合っています。


やはり国内の個別株は難しいです。
(ただ、最近は銘柄入れ替えはほとんどしていませんが、評価額変動が落ち着いては来たのは有難いです。)



(3)「米国株(含む 欧州/カナダの預託証券)は、概ねうまく行った気がする」について。


運用中に、ポートフォリオの評価額の動きがS&P500に比較的近いと感じていたので、比べてみました。ついでに、SP500の連動ETFのVOOと、連続増配ETFであるVIGも併記しました。


                           2020/1/2    2020/11/30           騰落率
  S&P500指数                               3258                  3622             +11.2%
  ETF VOO                                    $298.42           $332.64          +11.5%
  ETF  VIG                                    $125.34            $138.36          +10.4%


どれも大差なく、 年初来 おおよそ11%の上昇ですね。


一方、筆者の米国株運用の成績は、ETFや 海外対象の投信も含めて計算してみると、
年初来11/末の評価益率は、+11.1% となっております。
  (注: 短期解約株の損失も算入してあります。)


S&P500指数に近い成績を残せたことが確認できました。(ホッ。)
筆者は急成長株を殆ど買わないですし、S&P500を上回るのは私の腕では さすがに難しいです。(狙っていませんが。)



(4)「米国投資についても、個別よりも投信のほうが良かったか?」について。


上記(3)項の北米ポートフォリを、”個別+ETF””投資信託” に分解して損益率を出してみました。


<年初開始来 11/末までの評価損益率>


 ・(海外対象) 個別株+ETF・・・・+10.5% (含む解約損益)
 ・(海外対象) 投資信託・・・・・・+12.8% (解約は無し)


  買った時期が年初一括ではなく、2月上旬から秋まで広くバラついているので一概に確定的なことは言えませんが、薄々感じていたように、投信の方が やや安定した結果にはなっています。
なお、個別株+ETF を分解すると、ETFが評価額全体の7割程度を占めています。
ETFを含めた個別取引の成績は投信より若干劣後してはいますが、それでも大部分がETFであったからSP500に近い ほぼ満足のゆく結果を残せたのかなと感じています。



(5)「米国経済の力は、やはり凄い」について。


米国の個別銘柄(含むETF)では、2, 3の銘柄の扱いに、ややとまどいました。 「投資は長期保有」の方針で始めましたが、高配当銘柄の「経済ショック脆弱性」 (次の経済ショックでの大幅下落と減配を受け入れられるか) を良く考えることが大事であると学習し、結果的に解約して他の銘柄への乗り換えも経験しました。


しかし、それ以外の30数銘柄については、目立って大きな不安はありませんでした。
(大部分がETFあったことが奏功したと思います。)


コロナ感染拡大や 大統領選を舞台に分断が深まる悩みを抱えながらも、米国のハイテク産業の開発パワーや、投資の層の厚さを改めて感じています。
ただ、米国株価は、一年後にはダウ平均が4万ドルに達するとの期待がある反面、金融緩和を背景にコロナ回復後の「増益願望」を少なくとも2,3年先まで大きく先食いしていると見られており、ワーストケースで2割程度の調整も有り得るとの見方もあるので、十分に注視したい状況です。



(6)まとめ


筆者は「急成長個別株」には 殆ど投資しませんので、来年は、個別株の大半を投信とETFの中から選んだ堅調で良質な 銘柄に移すことを考えています。
(ただ、次の経済ショックが来ても購入価格から大きくは下がらなさそうな 厳選した高配当個別株は配当収入のために残します。そのために損出しした上で、安値圏で買い戻しもしました。)


今回の雑感検証の結果、上記方針に移行しても特段の不利益は無いと感じている次第です。


本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。