森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

米国株式の一部売却・円転


こんにちは。


世界でインフレが高進し、政策金利が大きく変化して市場動向が不安定になっています。
不安定な中でも比較的はっきりしていることは、1, 2年スパンでは円高への回帰が進むであろうということです。



1.ドルベース投資の一部縮小


こういった環境下で、1週間ほど前の 12月の半ば少し前のことになりますが、ドルベースで保有していた米国株・ETFの一部(1~2割程度)を利益確定売却し、円に戻しました。


この売却の処置を取った理由は下記の通りです。
① 米国FF金利の利上げが止まっておらず、米国株価は少なくとも この先半年程度は、行きつ戻りつ、ある程度のリセッションも影響し 低水準で推移しそうなこと。
② 一方で、米国長期金利が先行して低下へと動き出し、これを反映して為替レートの円高回帰が始まり、目先は上下動しながらも、この先2年程度は円高に進む可能性が高いこと。
③ 米国投資は、直接のドル証券保有でなくとも、円建ての投資信託等でも十分に可能なこと。
④ 米国へのドル直接投資を再度望めば、円高が安定点に到達してから改めてドル転すれば容易に可能なこと


等です。


円高の落ち着く先の為替レートはもちろん誰にもわかりませんが、個人的には125円/$を少し超える円高もあり得るとの想定で準備しています。



また、今回 売却対象とした米国証券は、下記の通りです。
A:PERが、過去5年平均を かなり上回った水準にある個別株と それに類するETF

B:短期債券と総合債券の それぞれのETF


補足すると、
Aについては、この先の上昇余地が限られる一方で、円高で大きく目減りするため。
Bについては、今後、短期~総合債券は価額が回復しますが、為替変動率に負けること。


なお、「長期債券ETF」については、逆に買い増しました。



2.今後の米国投資の方針


今後の 米国市場への追加投資は、円建ての投信と 東証の円建てETFを中心にして行います。


その理由は下記の通りです。


① 円建て投信でも、ドル ネイティブの株式やETFで組む場合に対して遜色のない成果を上げるポートフォリを組める環境が整って来たこと。(優良な投信等のメニューが増えました。)
② 通貨転換コスト、米国配当再投資の場合に一旦円ベースで納税が発生して生じる無駄、
  円建て投信におけるファンド内の自動再投資の利便性 等々を総合的に勘案すると、
  現地株式の売買手数料と 投信の信託報酬を加味しても有意な差は非常に小さいこと。
③ 外国証券保有時の外国税額控除の手間(手間の割には見返りが限定的)
④ 投信や 円建てETFは、少額買増しや 少額売却の自由度が高く また積立設定が容易など、現地株式/ETFに対して扱い易い優位点がある。


などによります。



以前は、円ベースの評価のパフォーマンスを、「現地ドルベースの株価の変化要因」と 「為替変動による変化分」という両要素に分解して分析したいという気持ちがありましたが、年齢を重ねるにつれて、そういったことに対する分析管理能力が、この先次第に減退して行くことを見越しての措置でもあります。


「現地株価変化」×「為替」が既に計算された ”投信の基準価額” や ”東証外国ETFの評価額”で トータルで見てポートフォリを調整することで十分だという考えに傾きつつあります。


それよりもやはり、既に国内で、人気のS&P500インデックスも ナスダックインデックスも、高配当インデックスも買えますし、 また連続増配インデックス や 総合債券ETF、長期債券ETFなど、何でも調達することができるので、円建て投信をハンドルすることによって、現地銘柄保有と比較して遜色の無い成果が十分に得られるようになって来たことが一番大きい。


また、米国株は配当が良いといった意見もありますが、通貨転換コストや 両国からの課税を勘案し、更に個々の個別株の変動リスクまで含めて総合的に勘案すると、国内の個別株の配当が、米国の高配当個別株に対して さほどの遜色がある状況では無いと判断しています。


まとめると、
・日米のインカムゲインの差=ほとんど無い
・米国の手堅い経済成長力に基づくキャピタルゲインの享受= 円建て投信の保有で十分可能
と言えると考えます。


「アップル」や「マイクロソフト」など、人気の高い個別銘柄に絞って 現地通貨で直接保有することは、無論 今後とも可能です。
しかしながら、筆者に関して言えば EXIT(出口)も近いため 負けない運用が要諦となって来ており、米国個別株をこれ以上 厚く持つ動機は少ない状況です。
なお補足すれば、米国の生活必需品セクターETFや ヘルスケアセクターETF については、堅調推移でインデックスよりも下落耐性が強い優位点があり、円建てのセクター対応の投信が無いため、当分は保有継続します。



★★★
このブログを書いている最中に、(政府) 日銀が、事実上の金融引き締めに踏み出した、とのニュースが入って来ました。
10年債金利の許容幅を プラス・マイナス 0.5%に拡大するという内容です。
イールドカーブコントロールの修正ですね。


円高回帰が一段とスピードアップしそうです。

上記の一部売却が、日銀の方針変更の前にできたことは良かった。


今後は、少しづつシンプルにして、管理力の減退に備えて 扱いやすい、また標準偏差の小さい堅調な組成に 一段と変えて行く考えです。
遠からず年齢を重ねれば、嫌が応でも、「放置運用」となりますが、それでも じわり増やしながらの 「自動取り崩し」に移行する予定のため、放置でも市場環境の悪化に対して耐力のあるPFでなければ無理なので。



本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。