資産運用における “ゴール設定” と “出口戦略” (その7)
こんにちは。
私の資産運用の ”ゴール設定” と ”出口戦略” について、数回にわけて書かせていただいています。(全部で10回弱になりそうです。)
今日は、7回目です。
《目次》 (「資産運用におけるゴール設定と出口戦略」シリーズ 全体の目次)
1. 動機・きっかけ
2. 各種の前提条件の整理
(1) 何歳まで生きるか?
(2) お金の価値 ~ 物価上昇率
(3) ライフステージと生活費(毎月の収支見込み)
3. 目標(ゴール)の設定
(1)75歳以降(後期高齢期)におけるゴール
(2)75歳に向けた資金準備 (63歳~75歳での運用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(以上、投稿済)
4. まとめ
5. EXIT(出口)戦略
3-(2)までは、前号までに投稿済みです。
今日は、 第4章を書きます。
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4. まとめ
Aさんという人がいました。Aさんは60歳で定年となり、同じ会社で再雇用状態に入って2~3年が過ぎました。今は時短勤務です。
子供は既に独り立ちして奥さんと二人暮らしです。
Aさんは、老後の一つのシナリオとして、75歳以降は夫婦揃って有料の介護施設に入らざるを得なくなる場合も想定し、資金計画を作ってみることにしました。
いくつか調べてみると、介護施設は入居一時金にもよりますが、2人で月々40万円ほどの費用がかかりそうです。
(住居光熱費、管理費、食費、付帯介護費が入っています。)
75歳以降は 夫婦2人分の年金と 若干の企業年金収入がありますが、“2人の介護施設代
+税・社会保険料+若干のお小遣い” を足し合わせると、フローの収入だけでは毎月20万円ほど足りなさそうです。
75~95歳の生涯通算では、フローの収入だけでは、
20万円不足×12か月×20年間(75歳~95歳)=4800万円
の不足となります。
(そうなると、預貯金の大部分を取り崩しても、まだ不足する可能性がありそう
です。)
そこでAさんは、2段階の資産運用を計画することにしました。
最終着地点の ”ありたい姿” から逆算して書きます。
(1) 最終ステージ: 75歳以降~95歳(想定天寿)まで
<ゴール>
① 95歳にて、余裕を見て約500万円が残ること (セレモニー費用等に充当)
② 75歳~95歳の間は、運用による配当収入と定期的な取り崩しで月々20万円が
Aさんの(財布である)銀行口座に入ること
<施策とその説明>
③ 75歳の時点で4000万円を『定期取り崩し可能で、税引き前4%の年間利回り
が付く投資信託等』に預けて運用しながら同時に少しづつ引き出します。
④ 上記①~③については、税引前4%利回り(税引後 3.2%)の運用商品を選定すれ
ば可能なことを計算で検証しました。「基準価格上昇率+普通分配金利回り」の
トータルが年平均4%の運用商品は、難しくなく見つかると思われます。
結果的に20年間で初期の4000万円が、運用によって5300万円になる計算となり
ます。また、期間が20年と長いので、元本割れの可能性は極めて低いと考えら
れます。
(2) 前期ステージ (63歳~75歳)
<ゴール>
① 75歳の時点で税引き後4000万円の資金を日本円で受け取れること。
<施策と その説明>
① 63歳の時点で1409万円の運用元本を用意し、それを米国株式ETFのVOOで、
“配当再投資あり”で運用すると、12年半後の75歳に円換算(税引前)で4660万円が
得られ、元本からの増分に対して20%の日本国内所得税を払うと税引き後の
手取りで4000万円が得られる計算となります。
為替レートは1$=108円としました。一定の為替変動リスクはありますが、
この先、長期的には円高が進む可能性は低いと見ています。
VOOとはバンガード社が運用し、NY証券取引所に上場する上場投資信託で、
S&P500指数への連動を目指すもので非常に人気の高いETFです。
(別のETFである”VTI”で運用しても, 遜色のない結果が得られると思います。)
② リターン計算は、Portfolio Visualizerツールでバックテストして検証しました。
運用中の12.5年の間に、リーマンショック相当、チャイナショック相当、コロ
ナショック相当の暴落や株価下落が それぞれ1回づつあっても、米国経済が
過去十数年間と同程度の成長があるとすれば、達成されると見込まれます。
(3)補足事項
① 最終ステージは後期高齢期に入っているため、基本的には老齢化による衰えで
運用にはタッチできないという想定です。残高の確認も難しくなっているかも
知れません。
従って、ボラティリティが限定され、リスクの低い運用商品など、ほったらか
しで済む商品を選ぶことが必要でしょう。
② (その前の)前期ステージは、資産運用管理能力があるという前提です。
VOO-ETFでの運用を中心に試算しましたが、配当などを75歳までのお小遣いに
使いたい場合などでは、初期元本を変えてVIGやVYMなど他のETFでの運用も
試算したので参考にできると考えます。
いずれのETFも、米国市場成長に準拠したキャピタルゲインを得ることを前提
にしているところが『最終ステージ』とは異なります。VOOは過去10年では、
(配当再投資で)年率13%で伸びています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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