森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

資産運用における “ゴール設定” と “出口戦略”         (その8)<最終回>


こんにちは。


私の資産運用の ”ゴール設定” と ”出口戦略” について、8回に分けて書かせていただいて
おります。


今日は、8回目(最終回)です。


《目次》 (「資産運用におけるゴール設定と出口戦略」シリーズ 全体の目次)


 1. 動機・きっかけ
 2. 各種の前提条件の整理
  (1) 何歳まで生きるか?
  (2) お金の価値 ~ 物価上昇率
  (3) ライフステージと生活費(毎月の収支見込み)
 3. 目標(ゴール)の設定
 (1)75歳以降(後期高齢期)におけるゴール
 (2)75歳に向けた資金準備 (60歳過ぎ~75歳での運用)
 4.まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(以上、投稿済)
 5. EXIT(出口)戦略



今日は、5章の EXIT(出口)戦略 について書きます。


前回の ”おさらい” を兼ねて、改めてリタイア後のステージ毎に運用のポイントを整理してみたい。


【リタイア後の運用のポイント】


<前期ステージ>(例:60歳頃~75歳)


 〇まだ資産管理能力があるという前提に立っています。つまり、パソコン等を操って
  ネット取引きなどができることを前提とさせていただいています。また、必須では
  ありませんが、確定申告なども何とかこなしたいです。(必要に応じ、国内株の配当
  税額控除や外国株の二重課税の控除などを受けて節税したいためです。)


 〇また最終ステージに向けて、後期高齢年齢の入り口段階で、資産を最終ステージ
  に向けて「配置変更」することがポイントです。(詳しくは、次に書きます。)


<最終ステージ>(75歳~95歳)


 〇 もはや、パソコンを使うことが億劫になったり、実際に使えなくなったり、あるい
  は金融機関の窓口に自由に出向けなくなった状態を想定しなければなりません。
  もちろん誰しもいつまでも元気でいたいですが、こればかりは自分の思い通りに行く
  とは限りません。身体が自由に動かなくなっていたり、認知症になっている可能性も
  あります。


 〇 上記のような場合でも、証券会社・銀行・投信会社に資産を預けっ放しにしておい
  ても、月々の分配金や取崩し金が自分のメインバンクに定期的に振り込まれ、そこ
  から介護施設の月々の請求額に応じて自動的に支払いができている状態に設定して
  おくことがポイントです。 銀行の普通預金の「口座振替」サービスを施設入居時
  に申し込んで利用します。 (公共料金の自動振替 等と同じです。)
  息子や娘が施設への支払いを月々代行して振込みしてくれれば一番良いですが、
  手間もかかりますし、例えば子が海外赴任等していたら、なかなか厄介ですよね。
  (余談ですが 筆者はそうなる可能性が高く、また自分自身も会社の転勤で、通算
  8~9年の海外勤務があって、その間 何年も親に合わない時期がありました。)


 以上のことから、出口戦略は下記のように考えました。



【出口戦略】


資産を運用して殖やすことができても、それが証券や信託商品の含み益の形のままでは
使えませんよね。現金化できてこそ 運用の本来の目的が達成できるというものです。
しかしながら、高齢期になると金融機関の財産を自由に移す手続きをすることが、なかなか難しくなります。ましてやネット口座などにおいては、パスワードの管理さえも老齢化で徐々に困難化する可能性があります。
従って金融資産を現金の形に変えて、自分のメインバンクの「お財布口座」まで持ってくる道筋を、まだ元気な間につけておくことが、「出口戦略」の肝です。


 ① 「前期ステージ」の最後(つまり最終ステージに移る直前)に、運用していた金融
  商品を解約し、最終ステージに適した運用商品にきっちりと移すことが出口戦略の
  一つの重要なポイントとなります。


 ② 最終ステージでは、運用商品の運用益を得ながら同時に少しづつ取り崩せる商品を
  選択し、毎月そこからの一定の金額を、メインバンクの自分の普通預金口座に自動的
  に振り込んで貰う仕掛けを設定しておくことが肝(キモ)です。


 ③  ②のようなことが可能な金融機関・金融商品を選ぶことがキーポイントです。


  ネット証券等では、最近、投資信託の定期売却サービスをメニューに加えたところが
  多いです。それらを活用すると、投信を毎月定額または定率で売却して現金化し、
  自分の証券口座で受け取れます。ただし、外部の任意の銀行口座への送金は、
  証券口座保持者(自分自身)が都度ログインして出金指示しなければなりません。
   (事前設定による外部銀行への自動送金サービスは、一般的には まだ無いよう
    です。)


(例)SBI証券          
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?burl=search_fund&cat1=fund&dir=info&file=fund_info120316.html


(例)楽天証券
  https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20191216-02.html


    要点は、たとえ証券口座内で現金化できても、お金が証券口座にとどまっている間 
 は、本来お金の使用先への払い出しはできません。証券口座には ”銀行の普通預金”の
 ような ”口座振替機能” がないためです。


  ただし、楽天証券の定期売却サービスについては、楽天銀行とのマネーブリッジ
  連携、自動スイープ設定されている場合には受取日の22時頃、楽天銀行に出金される
 そうですが・・。
   https://media.moneyforward.com/articles/4164


 なお、運用商品の定期売却と外部の銀行口座への定期的な自動送金の両方をやってくれ
 る(直販系の)投信会社も、最近は出て来ているようです。


(例)セゾン投信
   https://www.saison-am.co.jp/support/teiki_sell/


(例)ありがとう投信
   https://www.39asset.co.jp/guide/kankin/lifesupport.html



 証券会社や投信直販会社の このようながサービスが増えることを望みます。
 こうしたメニューを用意する流れは、高齢顧客の増加や少子化社会の進展につれて、
 今後加速してくるものと考えます。
 こういった形を計画的に準備しておけば、介護施設の入居前後に心身が弱って投信や
 証券などの売却送金ができなくなっても、月々の介護費用支払いなどにおいて人手を
 煩わせることなく楽になるのではないかと考えるわけです。



全体のまとめです。
確実性の高い運用を選んで老後資金を少しでも増やし、また様々な方法やサービスメニューを調べ、老後の憂いが少しでも軽くなるようにしておきたいものです。


このシリーズは、一応今回で完了です。
本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。