インデックス・バリュー・グロース の配分をリバランスする
こんにちは。
米国市場では、インフレの高進と それを受けてのFRB : 連邦準備理事会(日本では日銀に相当) の政策金利の利上げや資産縮小の方針を受けて、年明け直後から大きな下落局面に入っています。
主要3指数は、直近の高値比で下記の通りです。
・ダウ平均 :▼ 6%
・ナスダック総合:▼13%
・S&P500指数 :▼ 8%
これは、2020年3月のコロナショック以来の大きな調整です。
筆者の運用ポートフォリオも大きな影響を受け、累計損益のプラスは保っていますが、含み益は大きく減少しました。
筆者の運用先は、日本株式&ETF(東証)、米国株式&ETF、投資信託 の 3つのブロックから成り立っています。その中で、「米国株/ETF」と「投資信託」は、その99%を米国と海外で運用している形です。この二つのブロックが、米国の下落で影響を受けました。
これまでも各保有銘柄の性格を意識して、経済成長を取り込み、かつ下落局面でも強いポートフォリオの構築に努めて来たつもりで、その性格別の配分は概ね、
🔷 インデックス:1/3、バリュー(割安):1/3、グロース(成長):1/3
という おおまかな割り振りの意識でやって来ました。
今般、今回の下落による影響の大きさを受けて、改めて 自分の全ての保有銘柄の「インデックス」、「バリュー」、「グロース」の比率分析を正確に把握することにしました。
ニューヨーク市場(含むナスダック)で直接に運用する「個別株式とETF」の性格分類はまず容易ですが、「投資信託」の 世界分散やバランスファンドなどは、きちんと把握するのには少し骨が折れました。
各投信の銘柄の 「内部の組み入れ銘柄」をそれぞれ運用報告書等から把握して分解し、それぞれを、A:インデックス、B:バリュー、C:グロース、D:債券に分類してみました。
その上で、それぞれのファンド内での占有率を掛けてA, B, C, D の内蔵評価金額を算出し、かつ それぞれを全投信銘柄について足し合わせて集計し、更に米国取引所の直接運用銘柄のブロックと集計する作業を行いました。ここまでの作業は初めてで、良い機会だと考えました。
その結果の実態は、下記の通りです。(国内の東証で運用する部分は除きます。)
【表1: 性格別占有率】
〇 インデックス= 40%
〇 バリュー = 23%
〇 グロース = 25%
〇 債券 = 12%
注★:ナスダックETFである ”QQQ” や ナスダックの円建て投信はインデックスですが、
今回は 「グロース」に入れて集計しました。
まずまず順当な (悪くない) 配分だと思います。
ただ、改めてよく見てみると、投資信託部分において「インデックス+グロース」の比率が思っていた以上に高く、結果として海外運用全体でのバリューセクター比率が意外に少ない状況でした。
元々「インデックス」は、時価総額加重で組成されれていることから 国の経済を代表し、時価総額の大きなグロースの大手銘柄の占有率が高いです。その結果 FRBの金融政策変更などの影響を受けやすく、今回のような下落局面ではやはり一定の大きさの影響を受けます。
かつ筆者の場合は、グロース比率が バリュー比率よりもやや高めであったことから、下落の影響を思ったより大きく受けたと考えます。
もちろん、経済が順調な ほとんどの期間では、このインデックス内に含まれる多数のグロース企業の成長のお陰で、インデックス投資家の運用成果が大きく伸びますので、インデックス/グロースの貢献度は、中長期において非常に大であることは改めて強調しておきます。
またこれらの業績成長による 株価上昇と増配のおかげで「複利運用」の果実を享受できている訳です。
さて更に考察すると、期間10年以上の長期運用では、上記【表1】の 現在の配分率で 全く問題ないと思います。
なぜなら、仮に途中で大型の経済ショック・株価大下落に見舞われたとしても、10年経てば、その10年の間に発生した下落の直前の最高値を越えて回復する確率が ほぼ100%であることを、ブラックマンデー、ITネットバブル崩壊、リーマンショックなど、数々の大型ショックを乗り越えた歴史が物語っているためです。
しかも、近年は、各国の中央銀行も歴史の経験から学び、経済ショックの余波が広範囲に深くダメージを与える前に素早く金融緩和して、即座に立て直す処置を講じる傾向が強まっているので、株価の下落低迷期間はさほど長引かないと考えられます。
10年もしくはそれ以上の長期で考えれば、【表1】の配分は、なかなか良いリターンをもたらすと考えます。
しかしながら筆者はこの先7年程度で、運用に一区切りつけて一旦換金する「前半フェーズの EXIT」をする予定です。その後は、概ね全額を より堅実な内容の投資信託銘柄に集めて、定期引出しのフェーズに移る計画です。
そのため、もしも仮に、経済ショックの「底」でEXITの時期を迎えた場合に評価額の低下率を多少和らげるため、現在の配分比率よりも「バリュー」の比率を少し上げる決断をしました。(その代わり、資産成長度は多少犠牲になります。)
ターゲットは、
〇 インデックス= 35%
〇 バリュー = 30~35%
〇 グロース = 20~25%
〇債券 =10%
あたりです。
債券比率は直ちには上げませんが、長期金利のピーク(峠)を境に、その後 増やす可能性はあります。
リバランスの実行にあたっては、「バリュー」と「債券」の銘柄選定が重要になって来ます。
債券は、低金利からの上昇局面においては (利回りの低い既発債が大部分を占める)債券ETFは売られて値下がりしますので、現時点で増やすのは得策ではありません。政策金利が一旦ピークになった後に反転して金融緩和側に動き始めた時に買うのがベストでしょう。その直前に新たに組み込まれた若い債券からの高い利子(分配金)を受け取れて、かつ金利下落過程では、含有比率が上がった高金利債の分配金が好まれて値上がりも見込めるためです。
さて今回の筆者の場合、「バリュー+債券」の機能を果たしてくれる銘柄の選定がキーです。
私は、連続増配の「VIG」を更に増やす考えです。理由は、
① ベテランや理論派の投資家の中に、VIGを債券代わりに買う意見が幾つか見られ、その安定性が評価されていること。
② VOOには及ばないが、VYM / HDVよりも5年以上のトータルリターンが良いこと。
★ VOOとVYMの中間あたりのトータルリターン(配当+キャピタル)を得られる。
③ 標準偏差がVOO / VYM / HDV に勝り、ソルティノレシオもトップクラスであること。
★VIGに、下落局面での下落緩和に貢献させる。
コロナショックではVIGの下落が小さく、今回の「金利上昇警戒下落」では、
VYMの方が優秀でした。 VIGは一時的に意外に下げる場合がありますが、
立ち直りが速い特長があります。下がりっ放しにならないのは、組入銘柄が株主保持力が強い
ためと推定されます。
かつ、同時に、VYMの保有量も上げる考えです。下落にも様々な要因があると考えられ、
VIG と VYM で異なる下落要因の緩和を分担させて 各種の下げを緩和させます。
なお、連続増配で堅調な結果を出している「配当貴族投信」の比率も引き上げます。
全体像として例えて言えば、VOOとVIGをツートップとし、サブコアにVYMとQQQをミッドフィルダーに配置します。更に不動のディフェンダーは、全天候の生活必需品セクターのXLPと 地味ながら着実な結果を出す配当貴族指数ファンドと言った布陣です。
今回の インフレ利上げショックの下落経験を良い機会と捉え、投資信託の配分を中心に多少見直し、一段とスムーズで安定的な資産形成増に貢献するポートフォリオにブラッシュアップさせます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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