森のそよ風のブログ

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米国ポートフォリオの安定化施策<まとめ>


こんにちは。


今日は、これまでの 米国資産運用ポートフォリオ の『安定化施策』のまとめを、備忘録として言葉で整理しておきたいと考えます。



1.安定化施策の "項目" のまとめ


これまでの施策項目を、時間的な実施順に挙げると、以下のようなものでした。


 ① 初期段階のポートフォリオ・シミュレーションの実施
 ② 経済ショックで暴落性のある銘柄の解約
 ③ 連続増配銘柄の増資、配当ボックス銘柄の活用
 ④ ソルティノ・レシオへの注目
 ⑤ 配当株の損出しバイバックの実施(AT&T)
 ⑥ 成長・配当・ソルティノレシオの総合点による保有銘柄の選択
 ⑦ クリーンエネルギーETFの3分の2を解約
 ⑧ 景気循環の考慮



2.各施策の補足説明


一つ一つについて、背景や判断のポイントを補足したいと存じます。



①:初期段階のポートフォリオ・シミュレーションの実施


米国運用を開始した最初の頃は、超高配当ETFのSPYDを多く買い、それを中心にポートフォリオを組むことを考えていました。かつ、VOO / VTI 無しでS&P500を上回るトータルリターンのポートフォリオを作れないものかと無謀なことを考えました。
SPYDと、底支えのための債券ETFの占有率を それぞれ25%とし、堅調成長のためのVIGを2割程度入れ、気に入った個別銘柄を加えてシミュレーションしながら試行錯誤しましたが、そのような(SPYD+債券の比率の高い)建てつけ条件ではQQQ(かVGT)を50%くらいの占有率で足し合わせない限り、米国経済成長の果実(S&P500並みのリターン)を享受するのは到底無理だと判明しました。


しかしながら、QQQが5割というのは、さすがにちょっと抵抗がありました。
配分を色々変えてみましたが、結局 SPYDの占有率が10数%を超えると、いくら配当を貰って再投資しても長期運用でのトータルリターン上昇を阻害する要因となってしまうことが判明しました。SPYDは組成的に業績不振の低位株が大半を占めるために株価が40ドルちょっとで頭打ちになり、配当をそこそこ得られて再投資しても、SPYDを含むこと自体がブレーキとなって投資効率が下がるためでしょう。


結局、コロナ暴落前の当時としては、「SPYDをどうしても持つ」という大前提で 色々やった挙げ句、米国インデックスを組み入れることになり、
 SPYD 10%、米国インデックスETF 10%程度、グロースETF 23%程度、債券 12%、
 連続増配 12%、個別配当株群 15%程度、景気循環対策セクターETF 15%程度, その他3%
に一旦は落ちつきました。



②:経済ショックで暴落性のある銘柄の解約


コロナショックが起きてSPYDが暴落し含み損がとんでもない金額になり、これを保有している限り、いずれ再びの経済ショックで同じ被害を繰り返すと悟り、回復過程で徐々に全て解約しました。解約の判断は長期での経済不確実性に対する資産の安全確保に資すると考えています。
この銘柄は①項でも考察しましたがポートフォリオの重要な一角は担えません。コアの一つとして高配当ETFを持つなら、VYMで決まりでしょう。
(なお、将来的にSPYDが底値の26ドル以下になれば、危険性は除去され、またポートフォリオ全体の評価額の上値を抑える副作用も減るので、量的な面も含めて買う可能性はあります。)



③:連続増配銘柄への増資、配当ボックス銘柄の活用


VIGの堅実な底力を悟り、徐々に増やす方針を固めました。
また、カナダ通信のBCEが高配当のボックス銘柄であることを知人のブロガーから教わり、コロナからの戻りが遅いことを逆手に取って、安値圏に居る間にかなり買い進めました。
次の経済ショックでの「含み損化」の恐怖もなく、配当ドライバーとして活躍しています。


④:ソルティノ・レシオへの注目


下落局面で下値が堅い構成を目指したいと考え、ネットで調査して、ソルティノ・レシオを知りました。
計算式は、「期間の平均リターン率 ÷ 下落サイドの標準偏差」です。
分母が小さいと ソルティノ・レシオ は大きくなり、下落幅の小さい投資対象だということがわかる指標です。



⑤:AT&T株の損出しバイバック


筆者は現役時代に通信機器の開発事業に携わっていたことと、また米国勤務の際にはAT&Tワイヤレスや ベライゾン の携帯サービスに加入していたことから、通信株には親近感があります。
AT&T株はコロナショックで25%以上暴落し、多く持っていた筆者に大きな含み損をもらたしました。コロナ後の回復も遅々として進まないために損切りしようかとも考えましたが、配当利回りが良く、ベライゾン、Tモバイルとの寡占で倒産の可能性も低いことから、底値付近でウロウロしているうちに一旦損出しして後顧の憂いを断ち、その上で半数程度をバイバックする判断をしました。
(損は、他の利確株の利益で 年間では かなり相殺できました。)
AT&Tの新たな買値は10年底値に近いので、その後 株価が凸凹して若干の含み損を見せても気にならなくなりました。



⑥: 成長・配当・ソルティノレシオの総合点による銘柄の仕分け


これまでは、ポートフォリオを構成する銘柄を、個々に気づきベースで構成調整して来ましたが、トータルに体系的に見直せないかと考えた結果、全ての保有銘柄のバックテストを行って、「成長度」、「配当利回り」、「ソルティノ・レシオ」の3つの指標について独自の採点化を行い、3指標の総合点で VOOの得点を下回る銘柄を徐々に解約し、上回る銘柄を買い増して行くことにしました。
最近数年は一本調子で上げて来ている銘柄は、ソルティノ・レシオが良く出過ぎる場合があるので それを考慮し、実際の配分調整にあたっては、一過性でなく事業の永続性の点も判断に入れました。


⑦:クリーンエネルギーETFの3分の2を解約


バイデン氏の大統領当選が濃厚になった頃に、急上昇し始めたクリーンエネルギーETFを買いましたが、今年2月の高成長株調整で値下がりし始めたタイミングで大半を利益確定で売却しました。クリーンエネルギーは世界全体の長期戦略でもあるので、改めて考えます。



⑧:景気循環の考慮


ワクチン接種の進展でコロナ後の経済回復が意識され、また、長期金利上昇で高成長株が売られ、景気敏感株や割安株が買われる時期が最近ありました。
VOOかVTIを持てば大部分をカバーできているわけですが、高成長恩恵の取り込みの為にグロース領域のQQQ/VGT/MGKなどを持っている以上は、それらの上昇が一服した場合の消費動向を担うセクターを同程度持っておいて引き継ぐとブレが少ないと考え、(QQQ, VGT, 国内株を一部縮小した資金で) 生活必需品セクター、一般消費財セクター、資本財セクターのETFを若干買いました。
いずれも地味なセクターETFですが、直近の時節は好調で、超長期でも右肩上がりなので、ポートフォリオの 切れ目のない成長リレーや 安定化に一定の貢献をしてくれるでしょう。



まとめ:
以上の施策が功を奏してかどうか、最近では評価額の上下動がかなり安定して来ました。
最終的には、あまり手を掛けずに済み、半ば放置できるまでに持って行きたいと考えます。



本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。