森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

半導体関連株の好調が復活


こんにちは。


鉄に代わる『産業のコメ』と呼ばれて久しい半導体に関連する銘柄の株価が復活上昇しています。
今や、半導体が無ければ、現代の生活に不可欠なスマートフォンも自動車も生産することはできませんし、ネット・ショッピングなど クラウドサービス事業も成り立ちません。


コロナのために世界の消費者が買い控えていた車や電子機器は、昨夏の第2波を乗り越えて以降 需要が旺盛となって、その結果 必須部品である半導体の需要が一気に高まり、昨年の終盤あたりからメーカの生産が追いつかない状況になっていました。


更には、2月の米国テキサス州の大寒波による水道等インフラの損壊・停電によるサムソンやインフィニオン半導体工場の生産停止、日本有数の半導体メーカであるルネサス社の那珂工場火災による生産停止などで、半導体や半導体生産装置の需給が異常に逼迫しているのです。


筆者は、TSMC社(台湾:TSM)、ASML社(オランダ)、ブロードコム社(米国:AVGO)の3銘柄を保有していますが、ASMLは3月終盤から連日、史上最高値を更新中です。
また、TSMとAVGOは、3月上旬のハイテク成長株調整で一時値を下げましたが、直近では調整前の最高値に対して、それぞれ89%、97%まで値を戻しています。
いずれにしても、TSMもAVGOもコロナ前の高値と比べても既に1.5倍~2.2倍の水準で、ASMLに至っては3倍の株価です。 
(筆者はコロナ底から相当遅れて初参入したので含み益は30%ちょっとに過ぎませんが、もっと多く買っておけば良かったです!)



2月上旬の米国長期金利の上昇時に、多くの投資家がハイテクの利益確定に走り出す中で、筆者は上記3銘柄については、利益確定したり一部売却さえも全く考えませんでした。秋頃からの連日の報道や経済紙の記事で、半導体の需要が今後一段と高まることを知らされていたためです。
その主な内容は、
 ① コロナ後の経済回復で、産業のコメが必ず必要になることは明らかなこと。
 ② 半導体を多用する高速通信インフラの5Gが、世界的に普及期に入ること。
 ③ 半導体の生産能力は、台湾のTSCM社1社に大きく依存していて過当競争が無いこと。
などによります。


数日前の押し目では、AVGOを多少買い増ししました。
AVGOは、無線通信用の半導体を得意としますが、将来とも無線通信機 (たとえば、スマホや それに代わる未来のモバイル端末)は、絶えず最新型に更新されこそすれ、無くなることは半永久的に考えられないため長く保有する方針です。これまで長年にわたりソルティノ・レシオも良好です。


半導体事業の環境ですが、30~40年ほど前のDRAMメーカ 十数社による生産過剰や構造不況の頃とは違って、最近の半導体の設計や生産には一段と高度な技術を必要とし、また技術の進展に伴う設備投資額も巨大なため、既に多くの企業が脱落撤退し、新規参入障壁も非常に高いと思われます。
半導体は、演算処理半導体、メモリー半導体、画像&センサー半導体、通信半導体、車載制御半導体、パワー半導体など 大きく7, 8分野に分かれた専業化の体制になっていますが、昔よりメーカー数は減って、いずれの分野も世界で3社前後の寡占状態に入っています。更に唯一無二の技術を持っているところも多く、そのため過当競争による製品の値崩れはほとんどありません。
例えるならば、パソコンのOSや業務ソフトで不可欠でライバルもほとんど居ないマイクロソフトと似たような状況です。MSFTも単なるムードに流された一時的な株価調整はありえますが、長期では常に右肩上がりですね。代替手段の無い独占または寡占事業は非常に有利です。つまり、現代の分野別半導体やウィンドウズOSは、得意分野でドミナント化していて参入障壁が高く、しかも日常生活や基幹産業に必須不可欠です。それゆえに、もちろん株価は市場要因で一定の振れ幅はありますが、ブームが去って半導体事業そのものが没落するといったことは、非常に考えにくいのです。


更に補足するならば、存在感のある半導体メーカーが仮に経営不振に陥ったとしても単なる倒産や廃業とはならず、必ず買収や吸収合併したいという別のメーカーが現れます。合併構想などが伝われば、株価が値上がりする可能性さえもあり得ます。
その意味で寡占事業となって新規参入も困難な半導体事業は希少性が高く、その株は資産性が高いと言えます。



2月上旬の半導体株価調整は、高金利化が契機のグロース株売りに対して皆が一斉に付和雷同的に同調して起きた現象で、景気が半導体不況に転換したワケでも何でもないので、(どうしても利益確定が必要だった人は別ですが、)「売り」そのものが ほとんど意味が無かった状況で、早晩戻すことは確実でした。
もちろん、どの産業にも好調期と不況期はありますが、周囲に同調すべき時と、ムードに流されてはいけない時を しっかり見極め その構成銘柄の性格をよく理解して、今後とも対応して行きたいと考えます。


いま半導体産業は国の近未来の繁栄や安全保障を左右するとまで言われており、日米台において国策化して来ました。国策に「売り」無しです。
東京エレクトロンなども欲しいのですが価格的に手が出ませんし、これから買うには既に高値圏に達しているとの見方もあります。
従って既に保有している半導体株については長期に保有し、将来的に現金化が必要になった際にはキャピタル上昇の恩恵にあずかれたら一番良いです。



本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。