森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

比較的にリスクの低い好適投資銘柄


こんにちは。


以前にも記載しましたが、筆者は老後用の資金の確保のため、今年1月から資産運用を始めております。


預貯金で持っていても、定期預金が年0.002%(100万円預けて年に20円の利息)ですから、これでは 消費増税負け、物価上昇率(年平均 約0.5%)負けして 毎年目減りしてしまうという危機感からです。
ゼロリスクで比較的リターンが良い金融商品として「個人向け日本国債変動10年」などがあり年利が最低0.05%が保証され、また一部のネット銀行で定期預金0.1%前後が出ていますが、そのあたりまでです。


そこでやむを得ず、ある程度のリスクを取って投資信託や株式を含む金融商品で運用することにしたのです。
ただ、金融資産全額を運用するわけではなく一定限度までとし、残りは急な出費等に備えて現預金のまま無リスクで保有しております。
更に、リスク運用とはいえ、可能な限りリスクを抑えたいため、投資銘柄リスクの度合いを数段階のレベルで自分なりに区分し、メリハリをつけて分散配分する工夫はしています。
(現時点の主軸は、米国の市場平均インデックスに連動するETFです。)


  リスクレベル      代表的な投資先
①ローリスク      :  米国国債のETF/投信  (為替変動には注意が必要)
②ミドル - ローリスク   :  シャープレシオの良いスマートETF、バランス型投信
③ミドルリスク     :  市場平均に連動するETF (もしくはインデックス投信)
④ミドル - ハイ リスク  :  堅調な業績の個別株
⑤ハイリスク      :  高成長を期待する個別株


投資先を上記のようにリスクの段階ごとにアロケーションして投資しておられる方は多いと考えます。



さて、本題です。
ある程度のリスクは覚悟しつつも、比較的安心して財産を預けられる金融商品銘柄の条件とは何でしょうか?
筆者の直感的な考えですが、例えば、「3年程度の時間軸で仮に下落の想定をした際、その下落の度合いと回復力が見えている」場合には、安心感が増すのではないでしょうか。
例えば、「最悪15%程度は株価が落ちる可能性はあるが、それ以上の悪化はまずない。また3年以内に元の株価を回復する地力がある。」などと、何らかのファンダメンタルな根拠を基にして認識を持っていると、金額配分の決定や心の準備の役に立ちますね。


このような「リスク限界」と「復元力」の見通しの良い銘柄として筆者が重宝している銘柄をいくつか挙げて、整理してみたいと考えます。



(1)NASDAQ上場ETF   VIG(バンガード米国増配株式ETF) 


VIGは、10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株 約200銘柄で構成されたETFです。
米国市場平均インデックスETFである VTI や VOO に対して大きな遜色の無いリターンをもたらしながら、不景気の場合にはVTIやVOOより下落率が小さい特性が優れたポイントです。
詳細については、過日のブログである ”私の米国株投資の「リスク&リターン」の分析” をご参照ください。



(2)NY証券取引所 上場  BCE  (個別株)  


BCE Inc.(Bell Canada Enterprises)は、カナダの通信最大手の持ち株会社です。AT&Tと同様に、電話の発明者であるグラハム・ベルが設立した「ベル電話会社」の流れを汲みます。


【数値関係】
 ・株価 $43.2(2020/11/20終値)
 ・今後1年予想配当 $2.52
 ・2019年まで13年連続増配
 ・配当利回り 5.8%
 ・現時点でコロナ減配はなし(四半期配当)


【強みと特徴】
①現時点で10年以上連続して売上高が増加中。利益とFCFも長期右肩上がり。
 (今年は新型コロナの影響で2Q累計時点で 売上高は前年同期比5%の減少のようです。
  調整後EPSは16%減少ですが、一方それを織り込んでの株価は堅調な状況です。)
②2012年以降は、株価は$40〜$48のボックス圏を概ね1年半で一周する上下動。
 今年はコロナ底($32)を経験したが、株価は わずか1週間以内に$40まで戻しているので実質的に$40が底値と言えます。
 安定的に増収増益であり、(1%を超える人口増加率や競合状況等)カナダの環境を考えると、将来的にも $40を割り込む可能性はかなり低いと考えています。
 通信株を好む筆者は、配当株のAT&TやVerizonのリスクを埋めてくれる銘柄として比較的多く保有しています。


【買い方】
〇$40〜$48のレンジ圏を上下動しているので、下値の$40~$43のタイミングで買いたい。
 そうすれば、含み損に悩まされる可能性は低いです。
 現在の価格は$43.2付近ですが、この価格で買って 将来 万が一 経済ショックで再び$40に下落した場合でも、$43.2からの下落率は△7.4%ですから、配当(5.8%)により、1年と1Qで元が取れます。また、カナダの市場環境から言っても減配リスクは低いと考えます。
四半期配当ですが、コロナショックの今年も、8月決算までの配当で減配はありません。


買値に注意しさえすれば、低リスクと言えます。


【注意点】
◆$48を超える値上がりは、あまり期待できないと考えています。



(3)BNDX バンガード・トータルインターナショナル債券ETF (NASDAQ上場)


米国以外の先進国の政府債・政府機関債・社債・投資適格固定利付債券に投資するETFです。
 債券のETFは株価の変動による資産の過度な変動を緩和する効果があり、特に米国国債のETFは非常に人気があります。代表的なETFとして”BND”があります。
 一方、このBNDXは、米国を除く先進国の国債を中心に構成しています。
パフォーマンスについて、BNDとBNDXを比較してみます。


【数値関係】
            BND     BNDX    (備考)
・株価        $88.12     $58.52    (2020/11/20終値)     
・年間配当      $1.92     $1.617  (今後12か月の予想配当)
・配当利回り  2.18%    2.76%          (投資適格債ETFでは、BNDXはかなり良い値)
・経費率       0.04%    0.08%  (BNDの方が若干安い)


【値動き等、BNDXの特徴】
① 米国長期金利の上昇傾向によりBND株価は緩やかに下降気味だが、BNDXは現時点で株価下落の兆候はありません。(BNDXは米国以外の国の債券に投資しているためでしょう)
② 設定の2013年来、株価はゆるやかに上昇
③ 複数の先進国への分散効果がある。
④ 分配金利回りが良いので、経費率はBNDより高いですが充分にペイする状況。


【BNDXの使い方】
〇BNDとは値動きが異なり配当も少し良いので、BNDの旅のお供に伴走する債券ETFとして、なかなか妙味があると感じています。筆者もSPAB(=BNDと類似)との同時保有をしております。
  BNDとともに BNDXは、米フォーブス誌の「投資家にとってベストなETF 2019年版 -
  最優秀ETFリスト」に選ばれています。



(4)東京証券取引所上場    1555 ETF (上場インデックスファンド豪州リート)


【数値関係】
・株価 ¥1455(2020/11/20終値)
・直近1年間配当 ¥56.10
・分配金利回り 3.86%


【特徴】
① 株価はコロナ前の値を回復していないものの、ゆっくりとしたスピードながら着実に回復上昇中。コロナ前株価まで 70%を回復済。
② コロナ禍による分配金の低下は発生していない
③ 日本の個別株に負けない高配当サイドに位置しています。
④ 2013年以降、株価は長期的に成長トレンドにある。
⑤ 東証で円で買えますので、オモテ向き、円と豪ドルの為替レートを気にする必要がありません。
⑥ 配当は2か月に一度。


【本銘柄で投資する国の強み】
① オーストラリアは将来性があり、引き続き低リスクである。
  ・カントリーリスクが小さい
   (地政学的に他国からの侵攻等を受ける可能性が低い安定した国である)
② 人口増加率が年1.5%であり、引き続き将来経済を支える
③ 実質GDP成長率 年2.1%で、先進国では米国に次ぐ安定な成長
④ 食料自給率が100%を超えていることに加え、資源国である。
⑤ 新型コロナの新規感染者数は1日あたり十数人と少なく、単位人口あたりの感染率は、
  日本の20分の1以下と非常に低い。


【リスクのシミュレーション】
◇ コロナショックで株価が一時 約半値になったことには認識が必要です。
 仮に最新の1455円でで買ったあと、本銘柄が 何かの経済ショックで、もう一度 直近底値である813円まで落ちた場合を仮定すると、▲41%の含み損を抱えることになります。
しかし、豪州リートは、上述のようなオーストラリアの国情経済安定性により、一定の時間はかかっても必ず回復すると考えるものです。



筆者は、上記の4銘柄を、低リスクの投資先として自分の中では比較的多く保有しています。
余剰資金があって追加投資をしたくなり、たまたま欲しい銘柄が無い場合には、S&P500指数のETFもしくは上記4銘柄から選んで買い増しをする場合が多いです。
上記4銘柄は、地味ではありますが、信頼できる いぶし銀のような存在です。
もちろん 投資は各個人の責任判断でお願いします。


これからも下落リスクをミニマムにできる安心感のある投資を増やして行きたい考えです。


本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。