森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

NTT株の買い増し


日本電信電話(NTT)の株を、一単元ですが買い増しました。


「NTTって古い会社ですよね?!  今さら投資ですか?」って、思われる方も多いかも知れません。
日本電信電話(NTT)は子会社として、NTT東日本・西日本、NTTドコモ(親子上場)、NTTデータ(親子上場)、NTTコミュニケーションズなどを抱えていますが、昨今だったらドコモあたりに投資するのが一般的かも知れません。


そのNTTですが、6月29日、2030年度までに自前の発送電網を整備し、再生可能エネルギー事業に本格参入すると発表しました。
その数日前(6/25)には、NECとともに次世代規格のオープンな無線アクセスネットワーク(O-RAN)を共同開発し、海外へも技術やインフラの輸出に乗り出すと発表しています。
また去る3月24日には、トヨタ自動車とスマートシティ構想で提携の合意をしています。


NTTは、固定電話事業を独占的に行っているNTT東日本とNTT西日本の親会社でありますが、固定通信事業は今後の発展の余地は小さいとされ、ほとんど注目されていません。
しかし、ほぼ独占的な地位を与えられているため事業の安定度は非常に高いと言えますし、この先、スマートシティー構想などで地域電話網は新たな発展を見せる可能性は否定できません。


更に、NTTにはそれ以外にも魅力が非常に多い銘柄です。


 ●昨年に株式分割されて買い易くなりました。
 ●営業キャッシュフロー・マージンが高いなど稼ぐ力が強く、財務体質も良い。
 ●政府(財務省)が32%の株主であり、国の歳入にとってNTT配当は重要な位置づけ。
 ●配当利回りは4.04%(7/2終値ベース)と高い上、2003年以来の累進配当中。
  5月には10期連続の「増配」を発表し、同日株価での配当利回りは4.24%に! 
  配当額は10年で3.3倍になりました。
 ●非常にディフェンシブで底堅い。今回のコロナショックの一番底において、日経平均
   は直前のピークから30%下げましたが、NTTは 20%下げで踏みとどまりました。
   2割以上 値下げしてまで売ろうとする株主は、ほとんど居なかったということです。
 ●新常態のテレワーク銘柄です。企業内に閉じていたデータの流れが、在宅ワークでの
   業務メール、ビデオ会議、資料共有などの際に基幹網を担うNTTやKDDIの通信網を 
   流れます。モバイルルータやスマホのテザリングなどの無線利用者も、電波が基地局
  (アンテナ)に吸い込まれたあと、その先に送られるためには、固定通信事業者のネット
   ワークを経由する場合が多い。NTTは接続料(回線使用料)の収入が入ります。
 ●更に、日本有数の金融系ITシステムインテグレータであるNTTデータの親会社で
  もあり54%の筆頭株主です。 NTTデータは増収増益基調にあります。今後、決済の
  更なるキャッシュレス化/仮想化の進展で、全銀ネットと新興のフィンテック事業者
  の接続数が増えることによるNTTデータの収入増の可能性がある。
などです。


他方で、NTT(日本電信電話)株の弱点は、
 ●株価の大きな上昇は期待できない。
ことですね。
キャピタルゲインを期待するとアテが外れます。あくまで、ディフェンシブで高配当な投資先であると割り切ることが必要だと考えます。
その基本認識の上で、もしうまく行けば 新規事業で株価が評価される”かも知れない”というポジショニングです。


まとめです。
高配当で安定なNTTが、あえて将来の成長に向けて 再生エネルギー発送電事業に乗り出し、5Gに続く次世代通信で海外にも進出するという。発電事業も海外の次世代通信インフラ事業も、短期的に簡単に収益化を達成できるとは私は考えませんが、国内ではNTTは全国・全家庭に張り巡らせた配線網(要するに鉄塔と電信柱のネットワーク)という名のインフラを既に有しており、各戸への配電と親和性があります。技術力・投資資金力も高いことから、 長い目で見てその成果に期待することにしました。


お読みいただき、ありがとうございました。