森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

資産運用における “ゴール設定” と “出口戦略” (その5)


こんにちは。


 私の資産運用の ”ゴール設定” と ”出口戦略” について、数回にわけて書かせていただいています。
 今日は、5回目です。


 目次です。


1. 動機・きっかけ
2. 各種の前提条件の整理
 (1) 何歳まで生きるか?
 (2) お金の価値 ~ 物価上昇率
 (3) ライフステージと生活費(毎月の収支見込み)
3. 目標(ゴール)の設定
 (1)75歳以降におけるゴール
 (2)75歳に向けた運用のゴール設定
4. 運用の方針
5. EXIT(出口)戦略



2-(3)まで終わりました。
今日は、3-(1)を書きます。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


3.目標(ゴール)の設定


(1)75歳以降の資金のゴール設定


 私が描く75歳以降の生活形態を実現するには、2章までの検証の結果、年金収入だけでは毎月20万円が不足するということがわかりました。(私の場合です。)
 一方で、その不足分を現有の預貯金から単純に充当すると途中で底を突くことは明らかなので、資産の運用を検討します。


 着地点から逆算します。先ず75歳以降の「ありたい」運用資金繰りの姿を描きます。 次のような考え方で整理しました。


 ・寿命が尽きる想定の 95歳において500万円を残せれば良いとします。(その500万円
  は、逝去直後のセレモニー等に充てるとする。)
 ・ 75歳の時点で運用に回すことが可能な資金(仮にX万円)を 75歳以前に用意し、
  それを75歳から死ぬまで運用するものとする。
 ・75歳から95歳まで、上記の運用で得られる益(配当等)と 運用中の資産の徐々なる取
  り崩し金を合わせて生活費に充ててゆくものとします。
 ・つまり、75歳以降に 月々に不足する 20万円は、下記によって成り立たせます。


  A: 運用がもたらす配当金・・・・・月平均 Y万円
  B: 運用中の資産の取り崩し額・・・月平均 Z万円
    ―――――――――――――――――――――――――
                    計  20万円


 こうなるような75歳時点で運用開始すべき資金の総額(X万円)を明確にし、その運用によって毎月20万円(X万円+Y万円)を捻出し、95歳時点で残高が約500万円になっているようにする。
これらを満たす、X、Y、Z は、それぞれいくらになるか?というパズルを解きます。


 表計算ツールであるExcelを用いて計算してみました。
年間の配当利回り(または分配金利回り)は税引前で4%としました。(税引後 3.2%)
なお、確実性を増すため、運用元本の上昇(キャピタルゲイン)はゼロとしました。
(選択する投資対象商品は、手堅いインデックス銘柄 か 投信等ですが、後述します。)


Excel計算の途中経過は省略しますが、検証計算の結果は、


  ・初期運用投入金額(X万円)=3950万円


  ・運用からの毎月家計充当額=20万円   
    20万円の内訳:  月平均の配当(Y)      =約 7万円
                 +月平均の元本取崩し(Z)  =約13万円


  ・95歳時点での運用高の残金=585万円


となりました。
 (※ Excelの計算内容については、機会があれば いずれ補足します。)


 75歳運用開始の最初のうちは配当は多いですが、徐々に元本を取り崩して行きますので配当は減って来て、運用元本からの取り崩し額が増えて行きます。(生活費に仕送りする金額が配当と合計して毎月20万円になるように、取り崩し額が決まります。)
 投資信託商品などを使えば、分配金を再投資しながら一方で口座残高から毎月定額または定率で取り崩して指定の銀行口座に振り込んでくれるサービスをしてくれる証券会社がありますので、こうした設定は充分に可能と考えます。


 ここで改めて着目したいのは、75歳時点で運用に回す資金(金額 X万円)です。   
 上記の試算では X=3950万円と出ました。
 この3950万円ですが、もしも運用なしで貯金から毎月20万円を取り崩すと、16.5年、つまり91歳半ばで底を突きます。(95歳の目標が未達となります。また、運用した場合に95歳で残る585万円を合わせて評価すると、運用によって資金寿命が7年伸びている計算になります。)


 この3950万円の持つ意味は、運用に回しても良い元手 3950万円を、75歳の時点で用意しておく必要があるということを意味しています。
 75歳時点では子の住宅取得等への援助は既に終わっていて、また施設入居と同時に車の売却も想定しますが、特別出費(自宅の急な修繕、入院、旅行等)のための予備費として例えば最低300万円程度は預金で持っておきたく、それ以外で、運用に回せる資金を4000万円弱用意することを考えましょう、という意味を持っています。


 また、時期的な面では、75歳というのは非常に大きな節目だと考えていて、
 ① それを過ぎると老齢化によるスキル低下で日々の資産運用が難しくなるだろう。
  (確定申告をして配当控除を取り戻すことさえもできなくなる、と思っておく。)
 ② 75歳以降は、運用資産をほったらかしにして、運用益(や取崩し金)を自分のメイン
  バンクの口座に定期的かつ自動的に送金される設定になっている必要がある。
と考えています。


 そしてもう一つ重要なこと。
 75歳時点で運用に回す資金4000万円弱の用意がまだない場合は、60歳過ぎの今日から運用によって手持ち資金を増やしておかないといけない、ということになります。
 60歳前後ならまだ、増やすための運用を実行できる知力と体力は残っていますから。
 銘柄を買う、積み立てる、入れ替える、銀行口座との間の入出金をするとか、確定申告をするとか、そういった行為は、頭がしっかりしていてパソコンやインターネットを難なく使える間でないとできませんから。


 今から75歳まで、大事な12, 3年になると思います。


 次回は、75歳時点で4000万円弱を用意するための施策の案について書きます。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。