森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

信頼感が低い日本株式市場


こんにちは。
東京証券取引所の日経平均株価やTOPIX指数が、大きく下げています。


菅元首相が辞意を表明して近々に総裁選が行われると決まった途端に大きく上昇したかと思えば、今度は、岸田氏の当選が有力となった27, 28日頃になると大きく下げ始めて今日に至っています。


この下落は、「新総裁への期待感の変化だけでなく、中国恒大集団問題や米国の株価急落など他にも要因があったから...」という言い訳が聞こえてきそうです。
そもそも恒大問題は岸田氏当選の1週間前である9月21日前後から既にわかっていたことではないか。
(まぁ、市場なんてそんなもんでしょ!)


市場なんて気まぐれの多い、必要以上に変動の激しい、元々そんなものかも知れませんが、この日本市場に私はあまり信頼を置けなくなっています。
不安定な動きは、オモテ向き、実際に売り買いして値を決めている機関投資家と個人株主の自己責任ですが、その根本原因は、「日本経済」自体が 何も方向性を見せてこなかったためだと筆者には思えます。成長はほぼ完全に止まっている。かと言って明確に衰退しているというほどでもない。明らかなのは総合力で見た国際競争力が年々衰えて来ていること。


直近では確かに、原材料供給環境や海外環境が厳しくなっていることは事実でしょう。しかしながら そんなことでは説明がつかないくらいに、単なるムードに大きく翻弄され易く、外国市場の上下動に過度に追従しやすくなっているのは、日本経済そのものの重厚感・力強さが全くなくなっているからだと筆者は考えます。


こうなってしまった根本原因は何でしょうか?
1990年のバブル崩壊以降、経済成長していないためですね。ずっと「成長なき30年」(失われた30年)と言われているゆえんです。
経済成長のエンジンの馬力も無く、方向感も無く、少子高齢化だけが着々と進んでいる現状では、世の表象事象以外には株式市場を動かすドライバーが何も無い。成長が全く無いので首相候補の予想で大きく揺さぶられ、そして、部品調達先・工場立地・販売先の全てにおいて カントリー・リスクが高い中国に大きく依存する体質となっていて、大陸がくしゃみすれば 日本は風邪を引く。
このような状況では、たとえ「日本株は割安に放置されていて、これから上がる。今が買い時」と言われても、東証の開場時間を30分延長するよと言われても、東京を世界の金融センターにすると言われても 全くもって信憑性が無いし、海外投資家も買う気にならない人は多いだろう。
アベノミクスでもうまく行かなかった『成長(戦略)と分配の好循環』、『少子化対策』、『経済安全保障』等々を、日本は 口先でなく真面目に実現してゆかない限り、気づかぬうちに益々ジリ貧となり、低生産性・高負担・低分配・年金縮小 の社会が進み、安住できる老後もなければ 子や孫世代の豊かな未来への夢も持てません。


さて、こういった状況で、市場関係者らが前から唱えて来た「年末に日経32000円とか34000円」というのは、果たして実現するのでしょうか??
今年末には、保有する国内の銘柄を大きく減らそうと考えて来た筆者ですが、一体 いつどうしたら良いのやら。
とりあえずは、8月頃から中小型銘柄を利益確定で少しずつ切り離しては来ましたが、
このように27000円台まで下がってしまうと、売却しようにも今は良いタイミングとは言えません。



そこで、行き詰った状況の中で、この大きく下がった株価を逆手に取ることにしました。
それは、日本株から大きく撤退したあとも 元々ほぼ永久的に継続保有するつもりであった安全銘柄を、少し買い増すことにしました。


今回は、NTT株を、限られた資金の中で昨日 少しだけ追加投資しました。


NTT株を買った理由は、以下の通り 明確な多くの論拠があります。
① 昨年の携帯電話料金引き下げ騒動も収まって、市場ユーザーのマインド・NTT業績ともに
  安定していること。
② 公社から民営化して上場直後の 2, 3年は 過度な期待が剥落して大きく株価を下げたが、
   直近の10年は じわじわと上昇基調で、経営不安がないこと。
③ 次世代通信の「5G」の敷設の進捗が順調であること。
④ 岸田新首相が独自政策として「デジタル田園都市5G構想」を掲げていること。
 これによって「ローカル5G」の実用化につながると考えられ、NTTの出番があること。
⑤ 中国の「不動産バブル崩壊懸念」や 「電力不足による生産減速」の影響を受けにくく、
  また米国や海外経済の影響も受けにくい "内需サービス株" であること。
⑥ 事業内容が、インフラ的・生活必需的で、景気に左右されにくいこと。
⑦ 大型株で流通量も多いため、短期トレーディングの標的となって原因不可解な下落に悩む必要も無いこと。
⑧ 国内相場全体の上下動の激しい ここ半年も、株価が非常に安定していること。
 更に ピーク9/13から今日10/5までの下げ局面では、日経平均が10%も下げたのに対し、
 NTTの下げ幅は4.0%で済んでいます。 
 大きく下げた昨日と本日10月6日も、微小ながら逆行高で買いが入っています。
 (見る人は見ていますね。)
⑨ 今般、環境債を発行するとのことですが、脱炭素への取り組みが内外の投資家から長期視点で評価されるであろうこと。
⑩ 引き続き 配当利回りが3.5%以上と高く、2022年3月期決算見込みに対応して増配が
  見込まれること。
⑪ PER=10.37と割安で、PBR=1.5と妥当なこと。


です。


どうですか? ”灯台元暗し” でしたが、これだけの堅固な条件が揃う銘柄はなかなかなく、しかも、”水準を上回る高い配当利回り” と ” 堅実な株価上昇 ” が 両立しています。
両立していることは、総資産が大きくない (要するに, 夢の配当生活はあり得ず、いずれ完全に働けなくなって取り崩しも必要になる) 筆者のような投資家には決定的に重要です。それはつまり、将来的に株価下落の評価損で配当収入が 帳消しになるという可能性が ほぼないことを意味し、長期で保有放置できる「資産株」の資質を持っていることを意味するからです。
地味なので「長期保有株主の比率」も高そうで、ゆえに大きく売られることはなく、経済ショック時の下落も限定的でしょう。


本当は国際競争力の高い輸出関連銘柄を買いたいところですが、このように乱高下されては難しく、今は自己防衛するしかありません。
合わせて デジタル化社会の需要に強い「NTTデータ」も1単元 買い増しました。


年末には改めて日経平均30000円以上を回復してもらい、筆者も銘柄整理を進めたいです。


ではまた。