森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

投資信託 雑感


こんにちは。


今日は、「投資信託」について、雑感を書いてみたいと思います。


資産運用家の投資対象として、現物株式や債券と並んで多いのが投資信託でしょう。


しかし、投資信託については、評価批判を含めて以前から議論が多いことも事実です。
その背景は、最終投資先(企業等)と 投資家の間に、運用会社や販売会社が入るために、コストがかかることと、運用会社のファンドマネジャーの手腕の巧拙が出るためだと思われます。


投信の主な利点と 問題点を順不同に上げてみます。


【利点】
① 選択肢が多い <国内で約6000銘柄とか>
② ネット証券で買えば購入手数料が無料 <ネット証券なら無料のものが多い>
③ 目論見書があり、第三者のリターン, リスク, レーティング等のデータが豊富
④ (個別株式よりも) 分散が効いている  <ETF並み> <銘柄にもよるが...>
⑤ (個別株式よりも) 値動きが穏やかで判断時間が得られる  <無論、値動きはします!>
⑥ アクティブファンドやバランスファンドは 専門家がリバランスしてくれる
  (ただし、ファンドマネジャーの腕の巧拙が出ます!)
⑦ 外国投資ができるが、為替転換の手間が不要
⑧ 中立機関が 年次AWARDで評価してくれる


【要注意点】
(1) 選び方が難しい  (=難しい場合が少なくない)
(2) アクティブファンドの8割は、収益がインデックスファンドに劣ると言われている
(3) 信託報酬がかかる  (高いものから廉価なものまで幅があるので要注意)
(4) 償還期限があるものがある (必ずしも永久存続するとは限らない)
(5) 分配金が出ることの適否の見極めが重要
(6) リアルタイムに買えない。指値できない。


特に、下記の3点については、議論が非常に多いようです。
 A:信託報酬の水準の妥当性
 B:分配金を出すことの適否
 C:「バランスファンド」タイプの適否



今日は特に、「C:バランスファンド」について、少し突っ込んでみたい。


バランスファンドは比較的シニアに人気があると思われますが、賛否が様々ある状況です。


バランスファンドへの批判は、モーニングスターの 朝倉智也社長が著書で書いておられましたが、次の2点に集約されると思います。
  ●信託報酬が高め
    ●選び方が難しい



<信託報酬について>
バランスファンドは、「バランス」と言う以上アセットの配分バランスの維持管理が肝ですが、それには人手(人件費)がかかります。そのことが他のタイプの投信よりも信託報酬が高くなることにつながっていると考えます。


それならば、投資家自身が 株式ファンドと債券ファンドを別々に買ってきて、自分で評価額の比率を定期的にメンテナンス調整すれば良いわけですが、なかなか面倒ですね。
できれば放っておきたいシニア層には、実際面倒です。
つまるところ、配分調整の行為に対して、どれくらいの報酬を払うのが妥当かという議論ですね。


しかし報酬率(%)の妥当なラインを一律に線引きすることは、これまた難しい。  そのバランスファンドの長期リターン(%)や安定性(シャープレシオ)と対比して、信託報酬率(%)が見合うかどうかについて、個人が総合的に判断することになります。
たとえば過去5年の 年平均リターン率が3%で、信託報酬率が年1.5%の場合を考えてみます。もちろん基準価格は信託報酬を控除後の純資産で計算されるので、実質リターンが1.5%(=3%−1.5%)に縮むわけでなく、3%は確保されているのですが、将来もリターン率が保たれる保証はないので 3%と1.5%の間の余裕度が小さいと見れば、報酬の1.5%は高すぎると言えると思います。
どの銘柄のバランスファンドなら報酬率を許容できるか、更に多くの候補から比較検討して精査選択することが必要になります。


<選び方が難しい>
モーニングスターの朝倉社長は、「バランスファンドでお薦めできるものは非常に少ない。」と著書で書かれています。
先にも書きましたが、信託報酬が他のタイプの投信よりも高めなことが、簡単に自信を持って薦められるものが少ないということでしょう。
そして非常に多くのバランスファンドの商品から、様々なデータを比較検証することはなかなかにスキルを要し、手間がかかる作業です。 これが、「選び方が難しい」の中身でしょう。


要するに、バランスファンドはリバランスの手間がかからないと好むシニアが少なくないにもかかわらず、実は、しっかりした「選球眼」が必要で、選択の時点でかなりのスキルと時間が求められるのです。
この選択行為を販売会社の窓口の人に頼ってしまうと、リターンの薄いバランスファンドを買うことになりかねません。


今日は、投資信託と、その一つのタイプである バランスファンドについて書いてみました。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。