森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

2023年3月末の資産運用状況


こんにちは。


2023年3月末時点の資産運用実績を、2月末対比で 整理して掲載します。
実際の金額については、筆者の勝手な都合により従前より省略させていただいております。どうぞご了承ください。


3月は 金融セクターのボラティリティが激しく、マーケットが世界的に大きく揺さぶられましたが、この1か月を通した市場指数の変化は下記の通りでした。



<市場指数>
 日経225平均   : +2.2%
 TOPIX     : +0.6%
 スタンダードTOP20 :-2.2%
 東証リート指数 : -3.1%


 NYダウ平均   :+1.9%
 NASDAQ総合  :+6.7%
 S&P500指数  :+3.5%



<為替レート>  円 対 1ドル   
    2/28:136.72円 ⇨ 3/31 : 133.07円(3.6円、2.7%の円高)



【コメント】
・東京市場は、米欧の金融ショックの影響で大きく変動しましたが月末には落ち着き、終わってみれば大型銘柄は 1~2%上昇しました。逆に, 中小型と Jリートは2~3%の下落でした。
・米国市場は、金融ショックの震源地となりましたが、金融当局の安全宣言で堅調な結果で着地しました。


・為替レートは 米国の政策金利の飽和を織り込み、4円弱の円高戻しとなっています。





1. 運用状況 (日米 3/30 終値ベース)



(1) 総運用資産トータル (リスク口座資産の総計)


  〇 口座資産の総額 (含む待機資金) (前月末比) 増減率: ▲0.1%
  〇 現役運用証券の損益率(前月末比)の変化: ▲1.1% (損益率:19.1%→18.0%)
    注★預貯金等他の金融資産との先月来の出入りはありません
    注★譲渡所得税は資産高から控除済み


【コメント】
 現役運用証券は、銀行株下落の影響を若干受けて約1%の減少となりましたが、トータルの資産では一部利確の効果等に支えられ、前月比でほぼ横ばいとなりました。



(2)国内運用


    〇 30銘柄
  〇 口座資産の総額 (含む待機資金) (前月末比) 増減率: +0.3%
  〇 現役運用証券の損益率(前月末比)の変化:▲2.1% (損益率:26.1%→24.0%)
    注★ 株式やETFの配当は含んでおりません(従来通り)。
    注★譲渡所得税は資産高から控除済み


【コメント】
 現役運用証券は、銀行株下落の影響を受けて約2%の後退となりました。
 待機資金を含むトータル資産残高では利確売却の効果等が出て、前月と同等となりました。
 銀行株の下落分は大きかったものの、他の堅調銘柄が健闘してリカバリーし 2%減に留めました。占有比率上位の 西川計測(計測器の商社)、三井物産(総合商社)、ルネサスエレ(半導体)、東計電算(情報処理サービス) などが挽回を牽引しました。
 なお国内では、3月から 少額で単元未満株を少し買い始めました。信越化学などが好調です。



(3)米国株運用(含む米国ETF, 米国債券)


  〇 24銘柄
  〇 口座資産の総額 (含む待機資金) (前月末比) 増減率: ▲2.4%
  〇 現役運用証券の損益率(前月末比)の変化:+0.4%  (損益率:8.6%→9.0%)
    注★ 現役の損益率は 株式やETFの配当は含んでおりません(従来通り)。
    注★譲渡所得税は資産高から控除済み



【コメント】
 現役運用は、債券ETF(長期債 ETF)、マイクロソフト、ASML等の上昇が 円高減殺効果を上回って若干改善しました。 
 一方、待機$キャッシュやMMFを含む口座全体では 円高の影響が出て、2%強の低下となりました。



(4)投資信託


  〇 17銘柄
  〇 口座資産の総額 (含む待機資金) (前月末比) 増減率: +2.1%
  〇 現役運用証券の損益率(前月末比)の変化:▲1.8% (損益率:15.8%→14.0%)
   注★: 分配金は、現役で運用する投信銘柄のみの分配金を含んでおります。
      解約済み銘柄の分配金は、口座内の投資余力に含んでいます。
   注★:譲渡所得税は 資産高から控除済み


【コメント】
 口座全体では一部の利益確定の効果が出て2%の改善でしたが、現役の運用証券は 定期積立とスポット購入での分母増の影響に加えて円高影響が出て、1.8%の下落となりました。
 3月は、ダウ関連や配当貴族銘柄などディフェンシブセクターの伸びが鈍く、円高負けした印象です。投信は3月下旬の下落で多めに買ったので、年末に向けての反発を期待します。




2.総括コメント


 今月は、米国のシリコンバレーバンク、シグネチャーバンクの破綻や、欧州のクレディ・スイスの経営危機が顕在化し、更にはドイツ銀行の懸念にまで飛び火し、金融セクターが大きく揺さぶられました。
 このショックは欧米にとどまらず、日本市場にも一定の影響が襲いました。
 金融は 他のセクターとは異なり、世界が一体的に繋がっていて 瞬時に影響が及ぶことを思い知らされました。リーマンショックとは要因が違うので同じように深刻化、長期化する恐れはないと思いますが...。


 金融ショックは 3月終盤には ひとまず ほとぼりが冷めましたが、この先の影響については留意が必要でしょう。
 金融機関の資産基準に対する米国当局の指導や監査が厳しくなる方向が決まっているだけでなく、国際ルールであるバーゼル規制の見直しも言われており、数か月から年単位で見ると、いわゆる信用収縮(企業への貸し渋り等)が起きる可能性があります。これは 今後想定される景気後退を助長する要因となり得ます。また日本を含む各金融機関の資産流動性に関わる安全性に対する投資家評価の見直しにも影響しそうです。


 もう一つは、3月の事象を経験して、特定のトレンドや 特定のセクターに高い比重で依存することは、市場異変次第では運用資産が想定以上に揺さぶられることを多くの投資家に改めて強く印象づけました。
 筆者の国内ポートフォリオの銀行セクター比率は、2/24のブログに書きましたが約7.5%で 現時点でもほとんど変わっておりません。この比率は国内市場全体のウェイトから ほんの少し多い程度で影響は限定的でした。日本は今後の経済成長が難しいので 勢い投資は高配当株が中心になりますが、銀行株は歴史的に経済ショックでハイボラなため 保有比率は今以上には増やさず、他の複数の産業セクターの高配当株にも しっかり分散し、実際の保有金額に照らして 偏らずバランス良く保有を継続することが 安全な資産保全につながることが、改めて実体験で示された状況。


 また筆者は2022年の春以降 2022年いっぱいをかけて、日米運用ともに、特定のトレンドに過度に依存しないようにポートフォリーを 徐々に ゆっくりと 「リバランス」して来ました。
 ポイントは、
  ・グロースセクター比率を適切な水準以上には上げないこと
   (但しゼロが良いわけではない !  長期で見れば成長産業と人口増がGDPを牽引している)
  ・債券比率を ある程度 ”有意な” レベルに上げること  
             (但し、債券ETFは その価額が高騰している低金利局面では買わないこと。
     米国SVBの破綻の原因になりましたが、債券価格は 金融引締め局面で想定以上に
     下落するので、株式とダブルで 含み損が拡大する場合がある)
  ・各種経済ショックで下落率が大きいセクターの比率を あまり高めないこと
  ・生活必需品やヘルスケアなどの全天候セクターや 連続増配銘柄について、
   厚めの比率を確保すること
  ・日本では、公益通信セクターを 厚めにすること (相場依存が少ない安定感がある)
  ・インデックスは、長期では定期定額積立に適する点で優れているので長期のコア
   として持つとしても、数年以内の短期においては 必ずしも万能ではない。 
   EXITが視野に入ったシニアは、インデックスに過度に依存し過ぎないこと
  ・待機資金は常に用意すること
等です。


 誰しも資産残高が揺さぶられると身がすくみますが、思考停止に陥ることなく、必ずしも慌てる必要ないが、ゆっくりと時間を掛けても着実に、上記のようなポイントでポートフォリオを改善していけば良いと、今回のような事象を通じて改めて体感します。


 My PFも 痛い経験を重ねて時間をかけた改善の成果が徐々に現れて、日米ともに最近は安定感が増して来ている状況です。
 今後 十数年以上の長期で運用する若年中堅層は、下落局面は買い増しの好機にもなりえますが、筆者のようなシニアでEXIT(換金や 定期取り崩し)が近い年齢層では、上下動を経て長期で大きく上がることを狙うポートフォリオよりも、『上下動が小さい中で 安定的に "ゆるやかに” 上昇する』ポートフォリオを組む方が、運用目的に合致しているためです。


  目指す最終形の姿は、①インデックスに近い長期平均上昇率を概ね確保しながら ②一定のインカム(配当や分配金)を享受しつつ、かつ ③インデックスよりも標準偏差(上下動)が少ない、というポートフォリオ です。この3条件を同時に満たすPFは かなり難しいですが、まあ概ねそれに近い構成になって来て分散も図れているので、今後は 大きくは変えなくても済むと考えています。



本日も最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。