森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

米国主要ETFの年初来騰落率


こんにちは。


2022年前半の米国市場は、年初よりインフレ高進による長期金利上昇で株価が大きく下落し、その後6月中旬を底にインフレ鈍化予測が強まって急速に回復しています。


ただこの先、直近の1か月半と同等のスピードで 更なる回復があるのかどうかは定かではありませんが、約50%回復のこのタイミングで、主要なETFについて年初来騰落率を概観しておくことは、セクターの傾向特性を知る上で 意味があると考えます。



表1は、年初 (2022年1月3日) の株価と、直近の底値となった6月16日の株価、ならびに昨日(8月17日)の終値を一覧にし、かつ 年初の指数を100として、6月16日、8月17日も指数化して表示したものです。


【表1】


代表的なインデックスである ダウ平均・S&P500・ナスダック100のそれぞれの指数に連動するETFを表の上部に合わせて表示してあります。



さて、このままでは傾向が掴みにくいので、8月17日の指数が大きい(=年初来の回復が速い)順に 上から並べなおして、表2 に示します。


【表2】


平時の成長力の高いセクターほど 金利上昇に伴う落ち込みが大きく、回復もまだ途上であることがわかります。


一方で、上位陣を概観すると、公益事業セクターが非常に底堅く、直近では年初株価をも1割近く上回っていることがわかります。
また、全天候型と評される生活必需品セクターが2位で ほぼ年初株価まで戻し、更には 比較的ディフェンシブと言われている 大手高配当ETF、配当貴族指数連動ETF ( = 円建ての [配当貴族投信] の投資先 NOBL)、ヘルスケアセクターETF、10年連続増配ETF などが 続いています。


ただ、この表は、現時点では回復の下位にある NASDAQ100指数(QQQ)や 大手成長セクターMGKのリターンが、長期でも弱いことを意味するものでは全くないこと、同時に、上位のセクターが必ずしも長期でのトータルリターンが主要なインデックスに勝っているわけではないことを、念のために申し添えておきます。
むしろこの表から感じ取るべき要諦は、「下落抵抗性」のある幾つかのETFの中で、同時に成長力を合わせ持つ 最も優れたETFはどれか?という重要な命題になります。



運用の全体像で大事なことは、「トータルリターン」と「リスク(変動幅)」のバランスを My ポートフォリオでどう基本設計するか、ということになるでしょうが、それはライフステージの時期によっても、変わってきますね。


要考慮要素としては、
 〇 残存運用期間の長さ(年数)
   ・・・15年以上あればトータルリターン優先の成果が大きく得られると考える。
      (パソコン操作・金融リテラシーが 何歳までついてくるかを要注意)
 〇 EXITの時期と形をどう設計するか
   ・・・取り崩しなしで年金と配当(分配金)だけで, 一時的なまとまった出費を含めて
      老後資金の殆どをまかなえる人は 安泰でしょうが...。
        (後期高齢期の生活スタイル&費用計画の話です。)
などがあります。



今回のETFレポートは、あくまで途中経過で かつ 短期のスナップショットですが、「成長性」と「下値抵抗性」の両立 を目指すポートフォリオを、それぞれのライフステージや EXITまでの残存期間に対応してバランス良く調整移行する上での一助とするための参考に、今回掲載してみました。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。