森のそよ風のブログ

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ドルコスト平均法の応用編


こんにちは。


今日は、筆者の 最近の積立投資の方法について、整理してご紹介したいと思います。


資産運用において定評のある「積立投資法」として、「ドルコスト平均法」というのがあります。 筆者ももちろん活用しています。


ドルコスト平均法は、月に1回や 週に1回など定期的に、「予め決めた一定の金額」を積み立てて投資する方法で、定額であるがゆえに、高値相場では少ない株数(または口数)を買い、安値相場では 多目の株数(または口数)を買って、平均取得単価の上昇をできるだけ抑えて株数や口数を徐々に増やしながら投資を継続し、着実な運用益を増やすことができるとされています。
定期定額の機械的な積み立てなので、市場の値動きをいちいち気にすることなく、また投資タイミングに悩むこともなく長期での資産形成が可能で、たとえば10年経過すると、たとえ市場価格が高い時期に投資を始めたとしても、また積立の期間内に大型の経済ショックで株価暴落に遭っても、10年が過ぎて見れば、ほぼ100%の確実性で運用益がプラスになるとされています。暗黙の前提として、途中で多少のアップダウンがあったとしても、超長期 (概ね10年以上)では、緩やかでも大筋において株価が右肩上がりの市場にて、その効果が明確に発揮されると考えられます。


このように、長期で成長する市場では、初心者、ベテラン、シニアを問わず、誰でも容易に使える優れた方法で、実際の手段としては証券口座のマイページで 積立の頻度と少額の金額を一度 設定すれば、あとはコンピューターが自動的に継続してくれるので、日常的には放置可能となります。
国の税制優遇措置があり現役世代向けのiDeCo(イデコ:個人型の確定拠出年金)や、つみたてNISAにおいても、定時定額積立法を用いることが暗黙に推奨されていると理解しています。



期待成果ですが、たとえば米国の主要な株価インデックス(指標)は、過去20年以上を振り返ると年率 (CAGR= 幾何平均の年率) で、年平均7%の複利のリターンの実績があり、最近では「全世界」が対象のインデックスも同等のリターンにつながると期待されています。
年によっては株価の多少のアップダウンはありますので、7%というのは あくまでも長期でならした年平均です。場合によっては途中で、長ければ3, 4年程度、経済ショック等で含み損に転落することもあり得ます。なので、10年くらいは続けたく、それ以上 長ければ長いほど効果は増大します。



筆者もドルコスト平均法を活用しておりますが、筆者の場合は、様々な個人的事情を勘案すると、今後の 管理を伴う資産運用期間は 残すところ7年程度かと想定しています。
換金活用 (出口) の時期や、年齢から来る先入観への固執や判断能力の低下、PC活用スキル/口座管理スキルが 持続可能な残存期間を意識しているためです。


さて、筆者は残存10年以上を想定しないこともあり、最近では、ドルコスト平均法の長所を十二分に生かしながら、それをベースにした更に投資効率の良い方法は無いかと検討して来ました。
3か月ほど前から始めたのですが、「ドルコスト平均法とVIX指数を組み合わせる」という方法です。積立自体は途切れずに継続するが、平時は積立金額を抑えめに設定しておき、株価が大きく下がった局面では平時の金額よりも多目に積み立てるというやり方です。その大きな下落局面を早めに簡単に検知するのにVIX指数を使います。
株価の近未来の動向予測には、「テクニカル分析」というのがありますが、筆者は使っていません。なぜなら、それは元々 短期投資向きであり、当り外れもあり、テクニカル分析に時間をかけたくないためです。VIX指数が長期投資向きであるとは言いませんが、数字一つで明確に 先々数日の傾向が出るので、長期投資の買い増しに簡便だと考えました。


VIX指数を用いるのはもう一つ理由があります。株価下落時には定期買付額を増やしたいのですが、浅い下落で戻る押し目なのか、底流の動向にからんだ本格的な下落局面の始まりなのか、その判別が難しい点が挙げられます。下がったからと言って早く買い過ぎると効果がありませんし、大底を待ち過ぎても機会を逃します。この深い下落の開始兆候を早めに察知するために「VIX指数」の数字の水準を参照できると考えています。
VIX指数は、オプション取引の日々の動向を元に、差し迫った将来の株価の大きな変動を事前に検知する目的の指標で、誰でも、いつでも参照可能です。



以下、筆者の、「ドルコスト平均法を応用したカスタマイズ法」の適用手順について、VIX指数の傾向を交えながらポイントを述べます。


① VIX指数は、"28"以上が2日続けて出ると、その2日を含めて"28以上"の日が営業日ベースで5日以上連続し易い傾向があり、その期間は、比較的大きめの株価下落 (たとえば経済ショックや 中規模以上の調整) などが発生しています。
VIX指数は25あたりからボラティリティーの高まりを示しますが、あまり早いタイミングで買っても株価は充分下がっておらず、追加投資効果が薄れます。また、待機資金にも限度がありますから。 "28以上"の2日連続を 出動の「しきい値」とするのが一番良いと筆者は考えました。
② VIX指数の観測タイミングは、朝起きて 米国市場の「VIXの終値」を観るだけで良く、夜更かしする必要はありません。
VIX指数の終値が2日続けて"28"を越えたら、週次の積立額の設定を平常時より増額モードにします。(例えば、2倍とか3倍とか。各個人が好きなように決めれば宜しいです。) 
 積立の曜日は変える必要はありません。下落が数日続くため、週に1回だけの積立でも十分に捉えることができるためです。必ずしも最安値の大底をピンポイントで捉えられるとは限りませんが、それに近い底値近辺は充分に捉えることができます。
④ VIX指数が"28.0"を超えている限りにおいては、翌週も増額モードを継続します。
⑤ VIX指数が28未満に低下したら、積立額の設定を平常モード(あるいは減額モード)に戻します。



「VIX 28超」が2日継続するようなことは年に2回程度で、平常時はほとんど起きません。
ほとんど起きないことが起きるわけですから、かなり深い谷を形成します。


毎日、十数個もある保有銘柄の値動きを観るのは疲れますし、そうやっていると放置運用とは言えませんが、VIXを観るだけなら1,2分で済みます。見るのは、朝 普通に起きてからとか、仕事から帰宅後の数分でも間に合います。積立額の設定変更も、年に2回程度 証券口座のマイページの設定を少し変えるだけなので、数分以内です。
ですので、トータルでも1週間に10分以下の作業で、これなら「セミ放置」しながら続けられそうです。


具体的には、VIXの終値が"28"を越えているのが2日続いたら、例えば slim S&P500(投信) と VYM(ETF) の定期購入量を増やしておく、”28”以下になったら積立額を復旧する、ただそれだけです。ただし、積立周期が週次か日次でないと、掴まえられません。  月次積立の人は、スポット買いで良いでしょう。
なお、年間の積立予算は、増額モードの発動が年2回程度と織り込んで、平常額と合わせたトータルを決めれば良いと思います。



上記の方法は、米国の主要3指数や、米国を含む「先進国インデックス」あるいは「全世界インデックス」への投資に応用可能と考えます。
また、主要なインデックスETF(例、VTI、VOO)はもちろん、それに準じた安定運用の高配当ETFや連続増配ETF(例、VYM、VIG)にも応用可能と考えており、それらを運用投資先とする円建ての投資信託にも使えます。投資信託は金額ベースで積立設定できるので、非常に相性が良いと思慮します。


この手法の優れていると思われる点は、
① 慌てないで、(対象が米国株でも) 通常に起きている時間に実行可能であること。
② 年に2回程度しかない「中規模から大規模の下落」を捕まえ易いこと。
 ※ VIX"28以上"が2日連続で起きると、直後に深い下落状態が数日続くところが味噌です。(慌てる必要無し)
③ 長期で上昇している銘柄では 単なる押し目と本格下落を見分けてタイミングを判定することが意外に難しいですが、この方法は 小さな押し目では あえて出動しないで済むこと。
④ 底値付近でドルコスト平均法よりも増額し、平常の上昇局面では減額するので投資効率の更なる向上が期待できること。
⑤ 発動検知が容易で、また解除も容易なこと。一々チャートを見て悩む必要なく、ラクなこと。
などです。


以上、週次の積立額を一時的に増やす方法について書きましたが、日次積立でも活用可能ですし、積立の設定はいじらず、臨時にスポットで買う場合も活用可能と考えます。


この方法が適用できないと思われる対象は「個別株」です。銘柄固有の要因や 個別の需給変化による変動を捉えられない為です。
更に、国内企業の銘柄に適用できるかは、定かではありません。
(「日経平均VI」という指数もあるようですが、検討しておりません。)


最近、上記のような積立法を行って運用効率向上を試みつつ 同時に省力化しています。
投資は自己責任でお願い致します。


ではまた次回に。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。