森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

NTTの増配発表とNTTグループ


 こんにちは。


 NTT(日本電信電話)は5月12日の決算短信で、2022年3月期の連結純利益が前期比18%増となる初の1兆円越えの見込みだと発表し、合わせて2021年度の年間配当を105円から110円へと5円増配すると発表しました。


 NTTの経営の好調は有力経済紙でも伝えられており、好調の要因は完全子会社となったドコモの決済事業の好調と、ドコモの子会社化による社外流出配当分の取り込みが純利益の押し上げに寄与したようで、増益分の一部を継続株主に還元する形になります。
昨年の秋に話題となった携帯電話料金値下げによる減益分は、契約顧客数の反転増とコストダウンにより吸収しつつあるようです。


 筆者は、2020年4月に初めてNTT株を購入し、以降、ドコモ売却資金も活用しながら数次にわたって買い増しました。次世代通信インフラである「5G」の普及によるデータ通信量収入の増大と付帯サービス事業の拡大を期待したためです。


 決算発表によりNTTの株価は 今日1.82%と大きく上昇しました。今日は日経平均が▲2.49%の大幅下落となったため、その地合いの中での逆行高となり非常に目を引きました。


 一方、筆者は、去年の9月にはNTTの子会社で 親子上場している「NTTデータ」にも投資をスタートし、同じく数次にわたって買い増しています。(NTTが54%の株を保有。)
NTTデータへの投資を決めたのは、菅内閣の発足の少し前から「デジタル庁」の創設と、それを司令塔とする行政デジタル化の推進が見込まれていた背景があります。更にそれより以前から、QRコードによる電子決済など決済手段が多様化しつつ普及し始めたことも要因です。
 行政と金融は、一見 無関係に思えますが、コロナ給付金のペーパーレス申請や銀行振り込み、マイナンバー活用による国税事務や自治体税務における人手業務のIT自動化など、接点は多様です。


 NTTデータは銀行など金融業向けのシステムで国内のトップサプライヤーです。菅政権では、行政デジタル化と同時に地方銀行の経営改善も課題に上げており、最近では青森銀行とみちのく銀行が統合の協議に入ったと伝えられていますが、両行のシステム統合の際にはNTTデータに統合構築業務の注文が入ると見込まれています。それは一例に過ぎませんが、最近では大手証券会社と地方銀行の提携も進んでおり、金融関係のシステム開発や更改のニーズは、一般消費者のペーパーレス/キャッシュレス決済拡大に対処するシステム強化のニーズとも相まって、更に増えて行くものと考えられます。


 話は、行政デジタル化から金融業に逸れてしまいましたが、NTTデータは、官公庁や地方自治体の事務処理システムにも強いので、菅内閣のデジタル化政策で出番が増えることが期待されます。
従来から言われていますが、「国策は買い」です。


 ただNTTデータ株は急激には上がりません。筆者も初めて買って以降、(他銘柄が上がる中で) 含み損が3か月くらい続きました。
また先日の決算短信でも、
 ・売上増は前年比2%増と微増
 ・営業利益率は6%程度でさほど高くない。
 ・配当利回りは1.2%程度で、配当の魅力は小さい。
 ・ROEは約8%で、一流とされる10%に届いていない。
といった地味な状況で、親会社のNTTや携帯のドコモ社と比べて一般消費者にその存在を認識されることはほとんどありません。現に、株主は親会社のNTTをはじめ、ほとんどが機関投資家で、個人株主比率は6.6%と非常に低いです。
 しかしながら国の背骨となる社会基盤のデジタル化推進のためには無くてはならない企業だと考えています。ちなみにNTTの澤田社長は、NTTデータの完全子会社化は否定しています。


 NTTデータは短期的に急速なキャピタルゲインを期待する対象とは考えませんが、長期に社会のインフラを支えてゆくという事業内容から見ても、親がNTTであることからも底堅いと思われ、10年単位の長期では一定のリターンをもたらしてくれることを望むものです。



このブログは、NTTやグループ会社への投資をお勧めするものではありません。
NTTグループ企業の株価 並びに業績は、今後どう変化するか誰にもわかりません。


本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。