寺町二条の魅力
こんにちは。
先日、京の「寺町二条」のエリアを訪れました。
筆者は、輪島塗や 津軽塗などの漆器に惹かれるものがあり、最近テレビで紹介されていた京漆器にも興味を持って実際のものを見てみたいと調べたら、江戸初期の寛永年間に創業した老舗の京漆商である『象彦』のショールームが 寺町二条にあるとわかり、旅行中に訪れてみることにしました。
おっと、今日のテーマは象彦の漆器についての話ではなく、象彦ショールームのある地域一帯が強く印象に残ったので、ここに書き残してみたいと思います。
場所は、寺町通と二条通が交差する「寺町二条」という界隈です。
寺町は、豊臣秀吉が、応仁の乱で荒廃したこの通りを、安土桃山期の天正18年 (1590) 頃に再興し、多数の寺院を集め、通りの名も「寺町通り」と改めたとされています。
話はそれますが、秀吉は貧しい百姓から身を興して天下を統一し、栄華を極め、無謀な朝鮮出兵に失敗して、やがて政権を失ったというイメージが強いですが、中世の都市の整備や 度量衡の統一など経済の仕組み整備の功績は大きかったと最近少し思ったりしています。
京の町を南北に貫く寺町通の中でも、京都御所の南側の丸太町通から三条通までの間、特に寺町二条の界隈は「レトロ ストリート」と呼ばれているらしいです。
「名匠の漆器」だけを目的にして行ったので、その地域一帯には何の予備知識も無く、足を踏み入れてみて、その雰囲気に驚きました。いわゆる 近代以前の商店街という寺社以外の「Historical District」があったのでした。
京の 古い街路と言えば、頭の中は、歴史的な寺社の並ぶ通りか、もしくは花街 という固定観念に支配されていたので新鮮な感覚に足が止まってしまいました。
撮った写真を順次ご紹介したいと思います。
街はちょうど「御霊祭」の季節ということで、献灯の提灯が設えられていました。

【古梅園 京都支店】(墨と硯 (すずり) )

【御筆墨硯司 龍枝堂】(墨と硯)

【白鳳堂】(筆屋さん)

【かみはこ 小峰紙器】

お気づきかも知れませんが、文筆や紙に関連する商店が多い印象です。
寺町通沿いの80カ寺とも言われる多くの寺院の経本の維持や写経用、第二の江戸城である二条城や 徳川幕府の役所である所司代の武家文書役用途、当時の朝廷に仕えた公家祐筆職の用途、歴史学者の用途など、紙・墨硯・筆の商店は、地域のそれら需要者に対応していたということでしょう。
合わせて、当時の儀式や住人の生活に必須の、茶葉、数珠、薬種、仏教書物、三味線はじめ楽器、和菓子などの商店や職人などの住まいも、この道沿いに集まって当時の商店街の形ができとのことです。
【お茶の一保堂】

さて、目的地の 京漆器の『象彦』に着きました。
【象彦】

『象彦』は、創業が寛文元年(=1661年) で 360年の歴史とのことで、その漆器は素晴らしいものでしたが、記述は別の機会に譲ります。
(あまりにも高級なものばかりで、購入に至りませんでした。)
象彦の芸術品で目の保養をしたあと、近くに和菓子司があったので、その2階の茶房で休憩することにしました。
【二条若狭屋】

こちらも創業106年とか。
2階の茶房に他のお客さんは誰もおらず、ゆったりとして落ち着きました。
注文時に会計も済ませ、あとは注文の品を持って来られたら店員さんは奥に入ってしまい、全然干渉もなく、客は静かに時間を過ごして退店しても自由な雰囲気です。

「ぜんざい」をいただきました。

この形の「ぜんざい」は、関東圏では まずお目にかかることはないです。
左のものは おまけの焼き菓子、右下は 箸休めの塩昆布、右上は ぜんざいに浮かべて楽しむ水鳥形のあられ菓子です。
ぜんざいの餅に目が行ってしまいますが、どの器もなかなかお洒落なんですよ。

久しぶりにぜんざいを堪能しました。
二条若狭屋の茶房を出て、泊っているホテルまでゆっくり歩くことにしました。
この場所は歴史的なモニュメントがいろいろあって、飽きません。
【島津製作所の 河原町旧本社】

年代モノの雰囲気が漂っています。あとで調べたら、明治8年の創業だそうです。
島津製作所は、京セラ、村田製作所、任天堂 などと並んで京都を代表する会社ですね。
分析計測器の世界的大手として知られています。
この旧本社は今は博物館のような形で保存されているようです。入れば良かった!と後悔。
次に、京都ホテルオークラがあるこの場所は、江戸期に長州藩の藩邸があった場所とのことで、桂小五郎 ( 木戸孝允) 像が建っています。


こちらは京都市役所の分庁舎です。
お役所でも、通路の造りが格子になっていて さすが風情があります。

これは、京町屋造りという小型のゲストハウスです。街並みに似合う雰囲気があって泊ってみたくなります。

寺町二条のエリアでは、他の観光客に ほとんど会いませんでした。
桃山から江戸期の風情が濃く残る 当時の日常的な商いの町並みの雰囲気を、図らずも予定外に堪能できました。
これまでの訪問地は、歴史的有名社寺、枯山水などの庭園、鴨川や嵐山の風光、賑やかな飲食街など、有名なスポットにだけ目が行きがちだったと反省。知らない古都を発見しないと旅とは言えないかも....と自分の中で考え直すきっかけとなりました。
次回も時間を見つけて再訪し、エリア全体を散策したいです。
ではまた。
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