森のそよ風のブログ

ゆっくり資産運用と、日常の記録

上昇続く 米国長期金利


こんにちは。


米国の長期金利(10年国債の利回り)が急速に上昇し、ピークアウトの兆しを見せません。
住宅ローン金利も、30年物固定 (日本のフラット35に類似)で、なんと 年利6.29%にも達しているそうです。


その結果、S&P500指数 とダウ平均 は年初来最安値を更新し、ナスダックも6月中旬の直近安値に迫る下げとなっています。
比較的穏やかとされているダウ平均までも、年初来で20%安い 「ベアマーケット」入りしてしまいました。
更には、堅調とされていた高配当セクターも8月中旬の直近の一時ピークを境に急速に売られて 一か月余りの ごく短期間で13%下落して年初来最安値を深く掘り、各方面の指摘通り トレンドが目まぐるしく激変し、簡単には安住の地が無いことを示した格好になりました。


この原因は、8%を超える激しいインフレがいつ収まるか見通せず、それゆえFRBが、インフレ率が2%に下がるまで金融引き締めをやめない、と宣言したためです。


過日の9月のFOMCにおいて9月の利上げを0.75%と決定し、それ自体は市場も織り込み済みでしたが、新たなサプライズとして2022年末の累計政策金利ターゲットを従来比で1%も高い「4.4%」に上方修正したことによります。
これで11月の利上げも0.75%になることがほぼ確定的となりました。



この先のマーケットの見通しは定かではありませんが、米国インデックスの下落は、これで収まると 安易に考えられない状況になって来ました。


米国の主要インデックス値の 「ファンダメンタル理論値」は、次の3指標で決まるとされています。
・インデックスを構成する全銘柄の 12ヵ月後の予想EPSの加重平均
・長期無リスク運用利回り(=10年米国債利回り)
・株式のリスクプレミアム(直近10年平均で3%程度だが、2.5%~4%の幅で動く)



インデックス銘柄の12ヵ月後の予想EPSは、現時点では堅調な米国景気によって現状の予想値よりも低下する見込みは現時点では少ないものの、逆に上がるという見通しも出て来ていません。
一方で、米国債の10年利回りは、昨日9月27日の終値で 3.95%ですが、今年年末には4.8~4.9% になるとの予想が複数の米国サイトに載っています。


長期金利が約1%上がることの影響は大きく、インデックス指数に換算すると (あくまでファンダメンタルな計算上の数値ではあるものの)ここから更に13%前後の下落となり、3指数は年末に向けて更なる下値を試す展開が否定できない状況です。



筆者は、今年の年明けから3月にかけて、含み益率の大きな銘柄の利益確定を少しずつ進め、またハイボラな銘柄の大部分を解約して来ました。
(ハイテクの一部は残しています。1,2年で報われるか否かは全く不明です)
仕上げとして6月には ナスダックQQQを全解約し、S&P500系列のETFである VOOと VIGを、5月末の持ち高比で 半分の量を解約しました。先々を想定した上での 更なる下落に備えた処置でした。解約時点における損益はドルベースで概ねプラスマイナス0近辺でした。(円ベースでは幾分の利益。)


売却で得た現金余力によって、この先 大きく下がった場合に底値近辺で買い直す予定ですが、現時点では、まだ 買い直し や 買い増し をする段階ではないと判断しています。まだ「落ちているナイフ」の状態ですから、今は掴めません。
また、前にも書いたかと思いますが、株価がそこまで下がらず持ち直した場合には 買えなくても構わないということを、当初から既に想定に入れた話です。
これは、「リスクオフ」と「チャンス テイク」の 両睨みの処置ですが、筆者のようにEXITまで残り数年となると、「持ち続け」に拘らず 先々を考えた冷徹な判断が不可欠で、投資運用の大事な要素となって来ます。 しぶといインフレ継続により 市場が想定以上に長期低迷するケースも考慮に入れる必要があるためです。今後十年以上運用するのでないなら、思考停止・放置とは行きませんね。


さて、10月の第3週頃に順次発表される第3四半期決算の動向が非常に重要になります。
上振れれば 株価下落は緩和しますが、前回ガイダンスに届かないと下落に拍車がかかります。供給資材の不足やコスト上昇、労働需給の逼迫、FF金利の上昇 がどう影響するか・・。


年末に向けて、状況を慎重に注意深く見て、これからの対応を決定する考えです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。